【どんな検査?何がわかる?】
骨密度、筋肉量、筋力を調べ、X線やMRIで膝・腰の状態を検査
一般に運動器関連の検診は自治体、クリニック、病院などさまざまな母体が「運動器検診、運動器ドック、ロコモ検診」などの名称で行っており、受診者の健康状態や目的に応じて検査内容にも差があります。
要介護予防の一環として行われる自治体などの検診では「ロコモ度テスト*」がよく用いられます。「立ち上がりテスト」で下肢筋力、「2ステップテスト」で歩行能力、質問形式の「ロコモ25」で身体の状態や生活状況を調べます。まずは簡単なロコチェック(下参照)で今の運動器の状態を知っておきましょう。
*日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「
ロコモONLINE」参照
ロコチェック(日本整形外科学会公式)1つでも当てはまると要注意!
*7つの項目はいずれも運動器が衰えているサイン。1つでも当てはまればロコモの心配がある。医療機関(病院や整形外科系などのクリニック)が行う検診では、医学的見地からより詳しく骨密度や筋肉量、膝や腰の病気のリスクを調べる場合が一般的です。施設によって内容は異なりますが、レントゲン検査(X線)で膝や腰椎の骨や関節の状態をみる、腰椎MRIで脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア等を調べる、骨密度や体組成(筋肉量や脂肪量)を測定するなどの検査が主に行われます。
慶應義塾大学病院予防医療センターの「運動器ドック」では骨量と筋肉量の計測にDXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)を用いています。「腰椎と大腿骨頸部で骨密度を測ると同時に、体脂肪率と全身の筋肉量も測定できます。特に更年期以降の女性が気をつけたい骨粗しょう症やサルコペニアのリスク発見に役立つ精度の高い値を得ることができる方法です」(石田先生)。
発見できる主な病気
●骨粗しょう症
●サルコペニア
●脊柱管狭窄症
●椎間板ヘルニア
●脊椎圧迫骨折
取材・文 浅原須美 撮影 田中 雅、柳原久子、本誌・大見謝星斗、伏見早織 イラスト 岡部哲郎
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。