何度チャレンジしても挫折するあなたへ。「行動変容外来」を活用して生活習慣の見直しと改善に取り組む
人間ドックで自分の弱点に気づいた今こそ、生活習慣を変えるチャンスです。その人の性格を分析し、個別化されたデータのもとサポートしてくれる大学病院初の行動変容外来で、生活習慣の見直しと改善に取り組みましょう。
慈恵医大 晴海トリトンクリニック所長 横山啓太郎先生東京慈恵会医科大学医学部卒業。専門は腎臓内科。2016年、大学病院として日本初の「行動変容外来」を開設。19年には寝たきりリスクを減らす「ライフデザインドック」を考案。人生100年時代の健康マネジメントについて積極的に情報を発信。自分の性格や状態を知ることから行動を変える第一歩が始まる
健診や人間ドックの結果報告書に示されているさまざまなデータは、普段の日常生活の状態を表したものともいえるため、これらの数値を改善するには食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直す必要があります。しかし、人間ドックのフォローアップでアドバイスを受けても長年にわたって続けてきた生活習慣を正すのは容易なことではありません。
“わかっちゃいるけど、やめられない”。こんな忸怩たる思いを抱える人々に対し、慈恵医大晴海トリトンクリニックでは行動変容外来を開設し生活習慣の見直しと改善を支援しています。
「当外来の特徴は、その人が主体的に健康管理に取り組み、健康によい行動を習慣化できるようにサポートすることです。医師・看護師・栄養士によるチームで対応する全5回の行動変容プログラムになります」と所長の横山啓太郎先生は説明します。
横山先生によると、行動変容の第一歩はあらゆる面から自分のことをよく知ることなのだそうです。例えば、同外来では国際的に定評のある「NEO性格分析」を用いて、その人が自分の性格を自覚したうえで健康管理に効果的に取り組めるようにしています。性格分析の結果は、医療スタッフがその人の性格に応じて説明の仕方を変えたり、減量や運動などのアプローチ法を提案したりする際にも役立てているそうです。
一方、血圧や血糖のコントロールでは数値の連続性を確認することを重視し、その変動の特徴を踏まえたうえで、どのような対策を行うべきなのか一人ひとりの状況や状態に合わせた具体的な方法を提示し、それが日常生活において習慣化できるように導いていきます。
「人生100年時代といわれる今、40~60代のうちに運動機能や筋肉の状態を確認し、将来の要介護や寝たきりリスクに備えておくことも必要です」と横山先生は指摘します。同外来では、体組成測定や運動機能測定も実施し、健康寿命を延伸する観点からもその人の健康をサポートします。健診や人間ドックの受診によって自分の弱点に気づいた今こそ、生活習慣を変えるチャンスです。
このような人におすすめ
●生活習慣病を指摘されたが、薬を服用する前に食事や運動から取り組みたい
●運動が長続きしない
●食習慣を変えられない
●「生涯現役」で過ごしたい
●自分に合った健康法を知りたい