メディカルワードで知る体のメンテナンス法 第2回(全4回) 体のこと、病気や免疫のこと、日々新しくなるさまざまな情報にとまどっていませんか。今注目したいのは、全身の健康に関係がある「ゲノム」「免疫」「腸内環境」の3分野。その中で知っておきたいワードを各分野の先生に教えていただきました。
前回の記事はこちら>> 免疫はどんな力を持つの?
「免疫」とは文字どおり「疫病を免れる」こと。病気のもととなるウイルス、細菌、微生物などの異物が体に入ることを防いだり、入ってきたものを体外に出したりして、自分の体を正常に保つ大切な働きをします。また、劣化した細胞を破壊し、新しい細胞に作り替える働きもあります。
これらには骨髄の造血幹細胞から生まれるさまざまな免疫細胞が関わっています。一方で関節リウマチなど、自らの免疫の攻撃性が病気の要因になることもあり、それは「自己免疫疾患」と呼ばれます。
免疫細胞は胸腺や骨髄から生まれる!
免疫細胞は、骨の内部にある骨髄の造血幹細胞から分化して作られる。好中球や好酸球、好塩基球、単球、T細胞、B細胞、NK細胞などのさまざまな役割を担った免疫細胞が生まれていく。解説と監修:奥村 康先生1942年生まれ。医学博士。順天堂大学医学部免疫学特任教授。アトピー疾患研究センター長。東京大学医学部准教授を経て、順天堂大学医学部教授、同大学医学部長。サプレッサーT細胞の発見者であり免疫学の第一人者である。著書、受賞歴多数。NK細胞
免疫には自然免疫と獲得免疫があり、もともと持っている自然免疫の中でも特に重要な働きをするのが白血球内のリンパ球にあるNK細胞。
血液やリンパ液にのって体内を巡り、ウイルスなど侵入した病原体を異物として攻撃するので、「ナチュラルキラー=NK」の名がある。生活リズムの乱れやストレス、低体温などのほか、加齢に伴い活性が低下するのもNK細胞。
免疫低下防止策
腸管に免疫細胞の60~70パーセントが集中しているため、「腸内環境を整えること」が免疫低下防止策として知られている。
加齢に伴いNK細胞の活性が低下するので、「年を重ねたらある程度規則正しい生活を心がけるほうがいいですね。そして質のいい睡眠と食事、ストレスをためない生活、頑張りすぎない適度な運動が大切」と奥村先生。苦しい感情は遠ざけ、思いきり笑うひとときを大切に。