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見た目も花名も可愛らしい「エリカ」。種類豊富でそれぞれが魅力的!

2022.12.19

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

エリカ


エリカ
ピンクのベル型の愛らしい花ですが、なぜジャノメ(蛇の目)というかわいいとは言いがたい名前なのか? じつは花の中心に黒い雄しべの葯(やく)があり、それがヘビの目に見えることからこの名前に。(写真提供/PIXTA)

■属科・タイプ:ツツジ科の常緑低木
■花期:10月〜翌年6月

寒さの中で次々と咲くピンクの花が愛らしい


花名も基本種のピンクの花色も愛らしいエリカ。ちょうど園芸店には苗が並んでいます。いずれもすでに花が咲いていたり、蕾をたくさんつけていて、寄せ植え花材としてとても人気があります。

エリカには多くの種類がありますが、ヨーロッパ原産種と南アフリカ原産種に大別できます。日本ではジャノメエリカが多く出回りますが、これは南アフリカ原産種を改良したもので、耐寒性・耐暑性共に強く、丈夫な性質です。大正時代の後半にはすでに渡来していたそうで、意外に古くから親しまれている花でもあります。温暖地では地植えでも栽培可能で、放任すると樹高が2mほどになります。

開花は少し遅く1月からですが、同じ南アフリカ原産の改良種で、かわいらしい白花を咲かせるスズランエリカも人気があります。

エリカは種類によって花期が異なり、なかには四季咲き性タイプもあります。エリカ・コロランスの園芸品種‘ホワイトデライト’もその一つで、個性的な花形の白花はこの時期によく咲いてとても素敵です。

さて、エリカは英名をヒースといい、こちらはヨーロッパ原産のタイプです。ヒースと聞けば、エミリー・ブロンテによる小説『嵐が丘』を思い出す方もいらっしゃると思います。ヒースとは本来、耕作にも牧畜にも向かない荒れ地のことをいいますが、そんな土地でも大株になって花をよく咲かせるエリカはヒースを象徴する植物です。

『嵐が丘』の舞台となったのは、イングランド北部のヨークシャーにあるハワース。そこには荒涼とした景色が広がるムーア(湿原)があり、8月後半~9月にはヒースのピンク色で一面覆われます。『嵐が丘』に憧れてちょうどその時期に訪ねたことがありますが、それはとても美しくもあり、また、強風にさらされ樹形が斜めになってもなおかつ元気に育つ植物の逞しさに心打たれる景色でもありました。イギリスでは郷愁を抱かせる原風景として、とても人気があるそうです。

散歩道でかわいらしいエリカを見かけたら、荒野で花咲くとても逞しい種類があることを思い出してください。

エリカ
白いベル型の花はスズランのよう。この時期には促成栽培で咲かせた鉢ものが出回り、花が咲いた状態を楽しめます。自然に開花するのは1月からです。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たりがよい、風通しのよい場所を好みます。多湿が苦手なので、水はけのよい土壌を選んで植えつけます。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありません。翌年以降は成長期の秋に緩効性肥料を施します。地植えの場合、水やりは雨まかせでかまいません。鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと水やりします。水やりのしすぎに気をつけて。花が咲き終わった茎は半分くらいの高さに切り戻すと、また花を楽しめます。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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