史上初、東京国立博物館が国宝89件すべてを公開！ 創立150年を記念した特別展

国宝　洛中洛外図屛風（舟木本） 岩佐又兵衛筆、江戸時代・17世紀、東京国立博物館蔵、展示期間：〜2022年12月11日

2022年3月に創立150年を迎えた東京国立博物館。この秋、いよいよ記念特別展がスタートした。担当研究員の佐藤寛介さんに話を伺った。


「当館は、一つの博物館としては日本最多の89件の国宝を所蔵しています。本展では、150年の歴史上初めて、これらすべてを公開します（会期中展示替えあり）。本来は数年かけて何度も足を運ばないと見られない国宝89件を同じ空間で見比べることができるのが、最大の見どころです。各作品に最適な展示デザインを追求し、理想的な展示空間での鑑賞をご体験いただきます」



国宝　八橋蒔絵螺鈿硯箱 尾形光琳作、江戸時代・18世紀、東京国立博物館蔵、展示期間：〜2022年12月11日

今回の快挙の裏には、どんな苦労があったのだろうか。

「文化財の保存と活用の両立を図ることが当館の役割です。そのため、所蔵作品は展示期間を制限し、1年から数年間のサイクルで分野ごとに数点ずつ公開しています。今回は国宝をまとめて公開するために数年前から数年後までを見越して展示計画を調整しました」



国宝　埴輪　挂甲の武人　群馬県太田市飯塚町出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館蔵　通期展示

本展の第2部では、創立からの150年の歴史を振り返る。

「歴史を3期に分け、各時代の所蔵作品や関連資料などから、日本の博物館の縮図ともいえる当館の歩みをご紹介します。当館の代表的な名品に加え、今回が初公開となる最新の所蔵品の展示もございます。新たな出会いと再発見の場になるよう、魅力的な展示内容で皆さまをお待ちしています」