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一生に一度は歌ってみたい!「第九」第4楽章(歓喜の歌)の歌い方を佐渡裕さんが指南

2022.11.17

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歌い方とそのテクニックを学びましょう


第4楽章「合唱」の歌い方と楽しみ
佐渡さんの楽譜。独唱が伝道師のように呼びかけると、合唱も「不思議な力“Deine Zauber”……」で勢いづいていきます(1ページ目の3に当たる箇所)。写真/本誌・武蔵俊介

1.子どもからおばあちゃんまで歌える音楽と思いきや実は難しい。まずは音域を広げる発声練習から始めましょう


有名な歓喜の歌自体は“ドレミファソ”の5音だけを使った簡単なメロディですが、合唱の後半ではこのテーマのいちばん高い音からさらに1オクターブ以上も高音を求められるので、それぞれ最大限音域を広げなければなりません(最高音はケルプの登場時です)。最初に10分ほどしっかり発声練習をすると、初めてのかたでもだいぶ変わります。頭をつられているように、たくさん息を吸って! 皆で声を出すのは健康的だし楽しいですよね。

2.喜びを全面に出して、“フロイデ(歓喜)”を歌いましょう

第4楽章で合唱団が初めて声を出して歌う「フロイデ!」。とても大事な部分です。まず自分の中で嬉しいと感じること、やったー!と思うことを思い浮かべてみましょう。歌う前には準備体操したり、歌が届きやすい方向に腕を広げたり、ジャンプしたり。きちんとエンジンがかかるように「僕の腕がおりる30センチ前から巻き舌を準備して歌ってください」と伝えています。すると、全然違いますよ!

3.人の陰に隠れず声を出して。一人一人が主人公になっていきましょう

マーチで茨の道を進みゆくと、突然霧がスッと晴れたようになり──そこから歓喜の歌を全員で歌う、いわゆるサビの部分が始まります。1万人もいるから隠れてもいいと思っている人がいると、ここでよい効果が出ません。まずは一人一人が主人公になってほしいと強く伝えています。「私にはそんな才能ありません」とおっしゃるかたもいますが、練習を何度も重ね、皆さんそれぞれ「不思議な力」が働いているはず。どうぞ、輝いてください!

佐渡 裕さん指揮の「第九」コンサート

新日本フィルハーモニー交響楽団
「第九」特別演奏会2022


12月17日(土)14時開演
サントリーホール

12月18日(日)14時開演
すみだトリフォニーホール

12月20日(火)19時開演
東京オペラシティ コンサートホール

12月23日(金)19時開演
横浜みなとみらいホール

12月24日(土)14時開演
Bunkamuraオーチャードホール

※詳細は新日本フィル・チケットボックス
TEL:03(5610)3815





〔特集〕「第九」をもっと楽しむ



01 「第九」をもっと楽しむ

02 「第九」第4楽章の歌い方





この特集の掲載号
『家庭画報』2022年12月号



『家庭画報』2022年12月号


※智天使、ケルビムとケルプは同義です。 撮影/本誌・大見謝星斗(佐渡さん譜面) 取材・文/菅野恵理子 編集協力/三宅 暁
『家庭画報』2022年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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