母のタンス、娘のセンス

一色采子の「母のタンス、娘のセンス」番外編 /如月 徒然ダイアリー

2018.02.21

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お雛祭りの思い出


一色采子の「母のタンス、娘のセンス」
上巳の節句を前にリビングのサイドボードに、雛飾りを設えました。近年はなかなか段飾りを出すこともなくなり、これは京都で少しずつ見つけて揃えたもの。

一色采子の「母のタンス、娘のセンス」主役は、父(大山忠作)が描いた桃の花です。


アルバムを整理していたら、段飾りの前で記念撮影をした両親の写真が見つかり幼少期のお節句の思い出が蘇ってきました。私が幼かった頃から我が家は常時10匹前後の愛犬&愛猫に囲まれていたため、柱も障子もボロボロの状態でした(笑)。そんな中で、居間に飾られた段飾りの雛人形は、そこだけが美しく雅びやかで、この時ばかりは別世界が現れたようでした。

幼い私は一日中、樟脳の香りに包まれて、ただただお雛様を見上げていたものです。片付けられてしまうのが嫌だったので、お節句が終わっても「まだ出しておいて。片付けないで」とねだって、随分長い間飾っておいてもらったものです。今考えると、それがお嫁に行きそびれた原因かもしれません(笑)。

一色采子の「母のタンス、娘のセンス」
私が成人して我が家が引っ越してからは、お雛様も床の間のある客間に飾られるようになりました。以来、母は桃の節句になると客間に緋毛氈を敷き、東京に住んでいる父の姉妹を招き大人の雛祭りをするのが恒例となりました。近くの料亭から仕出しをとって、少しお酒も入り、大人の「お雛様たち」は楽しそうでした。女性のお祭りなのに、一番ご機嫌だったのは父だったかもしれません。
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