アーティストの豊かな感性が、経営や投資に生きる
山本誠一郎さんの別荘にて、山本さん注目の若手アーティストの作品と。アーティストとコレクターを呼び、サロンを行うことも。才気を発掘し、育てる愉しみ
コレクター 山本誠一郎さん(経営者・投資家・大学教授)長年、金融業界の第一線で活躍する山本誠一郎さん。かつてニューヨークで8年ほど過ごした際、勤め先のすぐそばにMoMA(ニューヨーク近代美術館)があり、周囲にもコレクターが多くいたことから、現代アートが身近な存在になったといいます。
「本格的に購入し始めたのは帰国してから。小山薫堂さんの紹介で、現代美術家の椿 昇さんと出会ったのがきっかけでした」。
それから4年経った現在、コレクション数は120点ほどに増え、その多くが若手アーティストの作品です。
「私は『アートは問い』だと思っています。特に若手アーティストは、自分とは違う視点からなる世界観や宇宙観を持っているので、作品と対峙して『どういうことだろう』ともやもやした気持ちになれるのが楽しい。アーティスト本人と話ができる機会も多いのですが、彼らは本当に発想が豊かです。例えば『500年後に富士山が噴火して、その火山灰をかきわけて自分の作品が見つかったら......』というような話を真剣にする。
私たちが未来の話をするとしても、せいぜい10年、数十年先のことで、これだけ大きなスケールで物事を捉えることはなかなかないですよね。自分とは全く異なる感覚に、刺激を得ることばかりです」。
(
次ページに続く)
コレクション紹介(1)
椿 昇
Noboru Tsubaki(1953-)
Google Impressionism_03 97×145.5cm国内外で活躍する現代美術家。巨大バルーンを用いるなど、強いメッセージ性を含んだ作品を数多く手がける。
香月美菜
Mina Katsuki(1989-)
0:34:57 100×50cm300種類以上のブルーを生み出すブルーのマジシャン。「自宅やオフィスの壁に飾ると一気に気分が明るくなります」。
品川 亮
Ryo Shinagawa(1987-)
あじさい 50×37.5cm伝統的な日本の絵画に革新を起こしている旗手。「未来の巨匠。常に進化を目指している姿勢からも刺激を受けます」。
高瀬栞菜
Kanna Takase(1994-)
みえないことみないこと 65.2×53cmえらばせて 60.6×72.7cm人間社会の表裏、揺れ動くポジション争い、隠された感情などを、動物や植物、モノに置き換えてユーモラスに描く。
塩田千春
Chiharu Shiota(1972-)
Connection with the Universe 30×30cm糸を用いたインスタレーションを中心に、様々な作品を制作。生と死、記憶など、形にないものの表現を追求する。
江上 越
Etsu Egami(1994-)
星の時間-声のために 116.7×91cm“ずれ”を生かした抽象的な肖像画。「国際的に活躍中。豊かな色彩が魅力の、第三世代のアーティストです」。
前田紗希
Saki Maeda(1993-)
18_5 116.7×91cm三角形をモチーフに人間や物事の多面性を描く。「芯の強さを感じる作品。モダン建築との相性もよいです」。