“現代アートには見るものへの問いかけがある。正解のない答えを探すことが楽しい”山本さんによると、若手アーティストとのかかわり方は3通りあるといいます。最初は、展覧会に行く、作品を数点購入する、SNSにアップするなどの「応援」。少しサポートを強め、仲間やコレクターを紹介したり、発表の場を提供したりする「支援」。そして、アーティストのプロジェクトに協賛したり、協賛者を紹介したりする「後援」です。
山本さんは「Y-Labs(ワイラボ)」という研究所を立ち上げ、次世代のアーティストのサポートも行っています。
「いずれはコレクション展を開きたいと思っていて、今、京都芸術大学で勉強しています。そこに行き着くまでには20年くらいかかりそうですね(笑)」。
“現代アートはフラット”だと話す山本さん。「ニューヨークの金融マンで、現代アートに行き着く人が多かったのも、そういう面が関係しているのかもしれません。作品と向き合って、『何が描かれているのか』『自分はどう感じるか』ということだけをずっと語り合える。それが現代アートの楽しさだと思います」。
コレクション紹介(2)
藤本純輝
Atsuki Fujimoto(1997-)
Olive_05 116.7×91cm布をはがしたり染めたりしながら、草木や花を表現する。「うちへ来てもらったときも『好きな風景がたくさんあったのでスケッチしながら来た』と。はがした跡が山本の『Y』に見えて、個人的に気に入っています」。
西垣肇也樹
Hayaki Nishigaki(1985-)
遺ルコトト思イマス 82×162cmゴジラをモチーフに、和紙と墨で多彩な世界を描く。「彼は現代の葛飾北斎。その世界観は果てしなく、社会風刺的メッセージも込められている。現代絵巻のストーリーは見飽きることがありません」。
面高 慧
Kei Omotaka(1987-)
右・Childhood#1 7×10cm 左・Dinner Time 6.9×9cm犬などの動物を主人公にして、彼らが人間社会の中で生活する様子を描く。「どこかクリティーク(批評性)が込められているように感じます」。
岡西佑奈
Yuuna Okanishi(1985-)
青曲No.83 100×100cm書道家。「小さく描かれた鮫の泳いだ跡にも見えるし、文字にも見える。コンテンポラリーな作品です」。
太田桃香
Momoka Ota(1997-)
週末浮かぶ 116.7×91cm愛知県立芸術大学の現役大学院生。ダイナミックなタッチと鮮やかな色使いで山を描く。
東條由佳
Yuka Tojo(1991-)
KYOTO(kawaramachi) 116.8×91cm河原町を歩く人の服の皺を描いた一枚。「アーティストは皆何かのオタクで、彼女は“皺オタク”」。
能條雅由
Masayoshi Nojo(1989-)
haze#8 91×116.7cm銀箔を用いて森を描く。「光の具合で緑に見えたり、色がなくなったり。最初に買った作品です」。
撮影/本誌・西山 航
『家庭画報』2022年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。