帝国ホテル 東京 杉本 雄料理長が「クイーンルージュ®」の魅力を引き出す美しい逸品に
2022年11月1日、帝国ホテル 東京の「ホテルバル」開業1周年のイベントが開催されました。
帝国ホテル 東京 タワー館地下1階にある「ホテルバル」。クラインブルーが印象的な内装は、デザイナー・森田恭通さんによるもの。イラストレーターの関根正悟さんのアートワークがポップでモダンな雰囲気を醸し出す。特別な日のメニューのひとつに、杉本料理長が選んだのは長野県産のぶどう「クイーンルージュ®」。出会ったときから、その完成した味わいに心ときめいたといいます。
「もともとぶどうは大好きな食材のひとつ。これまでも料理にピオーネ(黒ぶどう)などを使うこともありました。でも『クイーンルージュ®』はまた違う魅力があります。このしっかりと蓄えられた糖分は、野性味を加えることでさらに生きるような気がします」
「野趣あるフランスの露地ものフルーツに比べると、日本のフルーツは味わいがまとまっているという印象。フランス料理として完成させるなら、野性味を加えるのがベストだと思いました」(杉本料理長)長野県自慢のぶどうのお姫様に、杉本料理長がどんな魔法をかけるのか――。それだけでも十分に美味な「クイーンルージュ®」が、どんなパートナーを得てフランス料理の一皿に仕上げられるのでしょうか。
シャインマスカットと細長い実が特徴のユニコーンという品種から誕生した「クイーンルージュ®」。糖度が20~21%と高く、穏やかな酸味が特徴。イベント当日の夜、ゲストに供されたのは「長野県産クイーンルージュ®と鶉」。長野県の伝統的工芸品である松代焼の作家・唐木田伊三男さんによるターコイズブルーの器には、グリルされた鶉とつややかに輝く「クイーンルージュ®」が盛りつけられています。
パリッと焼かれた鶉の皮目にナイフを入れると、長野県産の雑穀ソルガムが。鶉のほのかな野性味、鶉の内臓などの旨みを凝縮したソルガム、そして白バルサミコ酢を絡めた「クイーンルージュ®」のみずみずしさが重なり、口の中で鮮やかでリッチな味わいを作り出します。
「塩味、酸味を加えることで、甘みとのバランスを取りました。小ぶりながら身質がしっかりした国産の鶉は、ジビエ料理の入門編ともいえる食材。このほのかな野性味から閃いた一皿です」(杉本料理長)
目にも鮮やかな五感をくすぐるこの一皿は、ゲストに大好評。当日のイベントの中でも、とりわけ心に残るメニューとなったようです。
「ホテルバル」開業1周年イベントのメイン料理「長野県産クイーンルージュ®と鶉」。鶉に詰められた雑穀ソルガムには、叩いた鶉の内臓やコニャックも加えられている。堂々たる「クイーンルージュ®」の姿も美しい。当日の料理が盛りつけられたのは、江戸時代後期、長野・松代で盛んだった松代焼を復興させた唐木田窯の2代目当主である唐木田伊三男さんの作。この日は「自分の料理観にぴったりの器、と一目惚れでした」と杉本料理長が語る、自由な作風の器が用意された。女王「クイーンルージュ®」の物語は幕を開けたばかり。さらなる可能性を秘めて次のステージへ
今回は国産鶉との一皿を披露した杉本料理長ですが、料理へのイメージは次々と膨らんでいく様子。
「ローズマリーやタイムなどのハーブ類で野性味をプラスしてもいいかもしれません。『クイーンルージュ®』の持つエレガントな甘みと酸味は、帆立貝や甲殻類とも合うと思います。ぶどうですから、もちろんワインとの相性もいい。『クイーンルージュ®』の葉も使って自家製チーズと合わせたらどうだろう……。ぶどう畑にもぜひ足を運んでみたいですね」
そして、杉本料理長が「クイーンルージュ®」に魔法をかける次の舞台に選んだのは、料理長が1日1組限定で自らお客さまをもてなす「Le Salon “Intimité”(ル サロン アンティミテ)」。その舞台に現れた女王(クイーンルージュ®)の新たな装いにお客さまは再び心奪われたのでした。
そのまま食べても、レストランの一皿にしても味わい深く、美しい「クイーンルージュ®」。日本の風土の豊かさ、長野県のテロワールの底力を改めて知る想いです。
杉本料理長が自ら演出する極上のフレンチ 「Le Salon “Intimité”(ル サロン アンティミテ)」 帝国ホテル 東京 本館中2階にあるフランス料理「レ セゾン」の個室で、1日1組限定でオープンする秘密のレストラン「Le Salon “Intimité”」。杉本料理長の魔法を体験したい方は、ぜひこちらへ。 メニュー考案、調理からコーディネート、演出まで、すべての差配は杉本料理長が行う。 1組2名様~ 1名様 6万円(コース料理、個室料・消費税込み。飲み物・サービス料別)。 ご予約はお電話にて。 帝国ホテル 東京「レ セゾン」 電話 03-3539-8087 ●「Le Salon “Intimité”(ル サロン アンティミテ)」の詳細はこちら>>
撮影/久間昌史(ホテルバル) 取材・文/露木朋子