福岡県小倉の「中国料理 耕治」は、吟味された高級食材を使いながらも華美に飾ることのない質実に重きを置いた料理で人々の心を捉え、文化人にも愛されてきた名店です。
看板メニューは九州初の東京風醬油ラーメン。先代の平野耕治さんが完成させた深みのある味に、心身がほっと和む逸品です。
実はこのラーメンのルーツは、耕治さんが末っ子として生まれた東京・浅草の幻のそば店「おく山萬盛庵」に遡ります。戦火により現存しませんが、「おく山萬盛庵」は江戸中期創業の日本で最も歴史があるそば屋とされ、数々の文人墨客が贔屓にした有名店。
戦前の「おく山萬盛庵」の賑わいを伝える宮尾しげを筆の絵。広い敷地に母屋と複数の離れが点在する風雅な老舗そば屋だったと、当時の多数の書物に記録されている。かの川端康成も、除夜の鐘を聞きながら萬盛庵で年越しそばを食べるのが大晦日の習わしだったと語っています。
その魂が受け継がれているからでしょうか。「特製生ラーメン」を一年の締めくくりに召し上がるお客さまも多いのだそう。
「高級シューマイ」や「肉まん」とともに、冬の食卓にあたたかさを添える美味をぜひご堪能ください。
「特製生ラーメン」(2人前/麺、スープ、叉焼、メンマ、ネギ)と、貝柱たっぷりの「高級シューマイ」(12個入り)のセット5616円(単品でも購入可能)。肉汁が溢れる「肉まん」(5個入り)2354円。日頃のお礼を伝えるお歳暮セット壱(1万円)と弐(2万円)も販売。 わがやの食卓をもっと豊かに 美味のお取り寄せ 2023年冬
表示価格はすべて税込みです。 撮影/本誌・西山 航 スタイリング/梶井明美 取材・文/鈴木博美
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。