ただ、そういう迷い自体今まで皆無に近かったので、ある意味世界が広がったともいえるはずです。
時には、考え込んでしまって、決め手がなくなる、みたいな心理に困惑してしまいますが「比較して迷って揺れながら決めていくことを覚える」ような重要なプロセスだと思ってください。
“目に見える物質的な部分”と“その背後にある曖昧なところ”の両方に目を向けていく、いろんなものの微妙な考えを識別する。そうすることで、やがて「味わいや微妙さ」のほうが重要になり、物として見えないところも重要であることに気づくはずです。
そこに目を向けることで、個人の自我から手を離して世界が広がるきっかけがきっと生まれるはずです。
ただ、同時に乙女座が本来持つ「リアルを追求する部分や、批判的な側面」が揺り戻しを起こします。たくさんの中から一点に集中することで、他はあたかもないもののようにしてしきた姿勢から、“嘘か本当か、間違いであれ何かを意図していることがあるのではないか”と考えるようになりました。
正しい正しくないかだけじゃなく、間違いにも、なぜそう間違ったのか?意図となり性質なりいろいろな理由があるのでは?と視野が広がることに面白さも感じてくるはずです。
例えば、プロが絵を描いた場合、はっきりし過ぎていて、うま過ぎて、周辺の情報もなければ、なんの気配も感じない。みたいに目に見える情報だけだとそれ以上でもそれ以下でもない退屈さを感じるのと似てるかもしれません。
しかし、「周辺の曖昧な輪郭」に興味が向けば向くほど、逆に「物質的じゃない曖昧なもの」に命をかけるわけにはいかない、という思いも出てくるような気がします。