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すでに満開の名所も。春を象徴する「ナノハナ」を一足早く楽しみたい!

2023.01.03

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

ナノハナ


ナノハナ

ナノハナと早咲きのウメのコラボシーンは冬を通り越してすでに早春の風情。でもこれ、1月上旬に見た神奈川県の観光ガーデンの景色なのです。

■属科・タイプ:アブラナ科の一年草

■花期:1月〜5月
■草丈:60〜80cm

春を象徴する黄色の花を一足早く楽しみたい!


ナノハナといえばひな祭りにモモの花とともに飾るシーンが真っ先に浮かび、ちょうどその頃に咲くイメージを持っていましたが、昨日ご紹介したニホンズイセン同様、ニュースでは各地の名所ですでに満開になっている様子も紹介されています。

多くは春に咲きますが、寒咲きとも呼ばれる早生品種もあり、これは1月から咲き出し、暖かいエリアでは12月下旬からすでに咲き出しているものもあります。早生、中生、晩生と組み合わせてリレー咲きさせることもできるので、ナノハナの名所は見頃が長いところが多くあります。これから4月くらいまで楽しめるので、時には遠出をして輝くような黄色の群生を堪能してみてください。

ナノハナといえば、当たり前のように黄色の花が思い浮かびますが、ナノハナ=菜の花というように、アブラナ科アブラナ属の花を総称する名称で、じつは単一の植物を指す名前ではありません。ハクサイ、キャベツ、ブロッコリーの他、ノザワナやヒロシマナなどの日本各地で栽培されている漬け菜も、春には黄色の花が咲くナノハナの仲間です。

このように食用に利用されるナノハナを指してナバナということもあります。花を楽しむナノハナとしては主にセイヨウアブラナが利用されます。これは油をとる目的で栽培されてきたもので、その油は菜種油と呼ばれます。また、チリメンハクサイを改良したものという説もあります。

春まだ遠きこの時期に黄色の花が楽しめるのはとてもうれしく、早咲きのナノハナは新春にふさわしい幸せな気持ちを呼び込んでくれる花だと思います。それとは別に、4月〜5月には畑で咲くナノハナも探してみてください。タネ採りのために収穫しないで花を咲かせている場合もあり、さまざまなアブラナ科のナノハナに出会うのはとてもおもしろいものです。

ナノハナ
ナノハナの黄色には蛍光色のような輝きがあります。左側で少しだけ咲いているのはノザワナです。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★☆☆☆☆

耐寒性があり、乾燥に強い性質で、タネからでも容易に栽培できるため、苗ではあまり出回りません。早咲き品種のタネまきの適期は10月で、温暖地では直まきもできますが、育苗ポットでしっかり苗を育てるのがおすすめです。12月上旬に日当たりがよく水はけのよい土壌に植えつけます。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありませんが、生育がよくないと感じたら、薄めに希釈した液肥を与えます。水やりは雨まかせでかまいませんが、からからに乾燥しているときには株元にたっぷり与えます。終わった花がらは随時切り取ると見栄えがよくなります。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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