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寒さに負けずに咲き続けます。輝くような花色の「カレンデュラ‘冬知らず’」

2023.01.23

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

カレンデュラ‘冬知らず’


カレンデュラ‘冬知らず’
春に咲くカレンデュラはキンセンカという和名でよく出回りますが、‘冬知らず’は学名のカレンデュラで出回ることが多いです。花径2cmほどのかわいらしい花が、寒さに負けずに長く咲き続けます。(写真提供/PIXTA)

■属科・タイプ:キク科の一年草
■花期:11月〜翌年4月

■草丈:10〜20cm

真冬でも輝くような花色でかわいらしい花が咲きます


カレンデュラとはキンセンカのこと。キンセンカといえば、春の花壇で輝くような黄色〜オレンジ色の花を咲かせている様子が思い浮かびますが、じつは冬の間も開花する種類もあります。‘冬知らず’という品種名がまさにその特徴を表しています。春に咲く草丈の高い種類はオフィシナリスの園芸種がほとんどで、切り花で出回るのもこの種類です。

その他にホンキンセンカという和名をもつアルベンシスという種類があり、こちらは耐寒性があるため冬から咲き出します。この種類を元に日本で育種されたのが‘冬知らず’です。

この品種が出回り始めた1997年くらい以降、キンセンカは春の花という認識が大きく変わりました。積雪地域でなければ、かなりの寒さの中でも元気に育ち、かわいらしい花を咲かせます。オフィシナリスより花が小さいことからヒメキンセンカと呼ばれることもあります。

草丈が10〜20cmほどなので、冬の花壇ではパンジーやビオラと合わせてもちょうどよく、公園の花壇などで見かけることもよくあります。ちなみに育種の元となったアルベンシスは「野原に生える」という意味で、原産地の地中海沿岸では農地や道端で育つ野草のような存在なのだそうです。‘冬知らず’もこぼれダネでよく増え、意外な場所で咲いているのを見かけることがあります。

近所の駐車場の隅で1株だけ咲いているのを見かけたときには「あらら、どこからタネが飛んできたのかしら?」と思いつつ、小さな黄色の花を咲かせるその株姿に、山野草のような風情と強さを感じました。

冬の間も鮮やかな花色で明るさをもたらしてくれる‘冬知らず’を見つけると、寒さに負けないでがんばろう、という気持ちになります。最近では‘エミフル’という耐寒性があり、冬も咲き続ける品種も登場しています。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★☆☆☆☆

日当たり、風通しが共によい場所であれば、比較的容易に栽培できます。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありません。地植えの場合は水やりは雨まかせでかまいません。鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと水やりします。花が終わったら花茎の根元から切り取ります。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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