“年男年女”の正月きもの 第2回(全5回) 2023年の幕開けにふさわしい晴れ着姿でご登場いただいたのは、卯年生まれの皆さん。スポーツなど体を動かすことが得意なのも共通点で、健康的な笑顔と軸がビシッと決まった立ち姿が絵になります。
前回の記事はこちら>> 中村アンさん【1987年生まれ】
ウサギのようにぴょんと飛躍を
中村アン(なかむら・あん)1987年東京都出身。高校、大学とチアリーディング部に所属し、全国大会にも出場。ドラマ『SUITS』『グランメゾン東京』『DCU~手錠を持ったダイバー~』『NICE FLIGHT!』、映画『マスカレード・ナイト』など、話題作に次々に出演している。胡蝶蘭が咲き競うビタミンカラーの訪問着に青地の金綴錦の帯を合わせた装い。明るい一年を予感させます。
きもの/はんなり浅草店 帯/桝屋髙尾(翠光) 帯揚げ/和小物さくら 帯締め/道明 扇子/井澤屋 髪飾り/かづら清老舗 履物/銀座ぜん屋本店自他ともに認める“スポ根”の原点は、チアリーディング
鮮やかな黄色のきものに身を包み、「色にはパワーがありますね!」と弾ける笑顔を見せた中村アンさんは、俳優として、目下、ドラマに映画にと活躍中。
「最初の頃はテレビで観ていた俳優さんたちのなかで、キャリアの差やプレッシャーを感じて、毎日へこんでいました。でも、同じ場所に立たせてもらっている以上、引いていたらダメだと気づいて。とにかく誠意を持って全力で演じることに努めていたら、少しずつ楽しくなり、演じることへの欲も出てきました」。
そんな中村さんの“スポ根”的タフさは、高校・大学時代、チアリーディングに打ち込んだ経験が原点です。
「高校も大学も全国大会の常連校で、練習はもちろん日常生活に関しても厳しく、高校では同学年で50人入部して残ったのは10人。あの日々のおかげで、今頑張れていると思います」。
以前は仕事が生活の100パーセントだったという中村さんですが、最近、少し心境が変化してきたのだそう。
「私は恵まれたことに、両親の仲がよく、支え合っている姿を見て育ちました。それで、自分もそういう相手と将来をともにできたら、もっと人生が豊かになるのかなと思うようになってきたんです。両親は中学校の同級生で、3人の子育てを終えて今は故郷の佐渡島にいます。父は母の誕生日にひまわりを買って帰るような優しい人なんです」。
嬉しそうに話す言葉からご両親への敬愛の気持ちが伝わります。
取材の最後、「卯年なので、ぴょんぴょん飛躍する年にしたいです」と明るく宣言した中村さん。公私ともに飛躍の年になりますように。
卯年生まれの今をときめく5人が競演
“年男年女”の正月きもの
撮影/鍋島徳恭 きものコーディネート/相澤慶子 ヘア&メイク/相場清志〈eif〉 着付け/伊藤和子 取材・文/清水千佳子
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。