日本の絶景神社巡り 第7回(全19回) 心の平安と開運を祈願して、『古事記』ゆかりの神様に会いに行く、わが家に神様をお迎えする、という2つのアプローチで日本の神様と真摯に向き合います。
前回の記事はこちら>> 青島神社 [宮崎県宮﨑市]【縁結び】
古くは島全体が霊域とされ、江戸の頃まで一般人の入島は許されなかった青島。島のほぼ中央に鎮座する青島神社は、ひときわ目立つ赤い社殿が特徴。山幸彦と豊玉姫命の出会いの島
日南海岸の突端から、海上の参道を歩いて青島へ。島全域を境内地とする青島神社は『古事記』で有名な「山幸海幸神話」の舞台。彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)(山幸彦)と豊玉姫命(とよたまひめのみこと)のロマンスの地でもあることから、良縁や安産などに御利益があるといわれています。
色鮮やかな朱塗りが施された社殿はたびたび建て直されており、現在の本殿は1974年に再建されたもの。また、その奥にある青島神社の元宮では古代祭祀が行われたとされ、神社の中でも特に神聖な場所。古くから病気平癒に霊験あらたかとされ、元宮に髪の毛を結び帰るという信仰がありました。
その歴史を受け、今も元宮にある樹木に願掛けの紙縒(こより)を結ぶ「産霊紙縒((むすびこより)」が人気を集めています。ほかにも願い事を書いたお札を井戸水で溶かす「海積祓(わたつみのはらい)」など、境内では10種類もの独自の神事が楽しめます。
権禰宜・川崎 明さんいわく、「これらの神事は、自分の心との向き合い方を促してくれるもの。得た結果がよければ今の状況に謙虚に感謝をし、よくないものであったら気をつけようと、新たな気づきとして、日常に生かすことが大切です」。
穏やかな気に満ちた青島神社での内観から、幸運への道を開きましょう。
権禰宜さんの開運ことば言葉には霊力が宿るため、参拝の際に祝詞を唱えるのはよいことです。基本は「祓え給い、清め給え(お祓いください、お清めください)」。自らの祓い清めが神に近づく大切な行いです。(権禰宜·川崎 明さん)
下のフォトギャラリーで詳しくご紹介します。 Information
青島神社
宮崎県宮崎市青島2-13-1
- 【主な御祭神】彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、塩筒大神(しおづつのおおかみ) 【御神徳】縁結び、安産、航海安全、交通安全 兄に借りた釣針をなくして困り果てた弟・彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)が、塩筒大神に導かれて「海積宮(わたつみのみや)(龍宮城)」に赴き、豊玉姫命と契りを結んだ後、海から帰還した際に青島に上陸して宮を営んだため、その宮跡に彦火火出見命(ひこほほでみのみことと)豊玉姫命、塩筒大神を祀ったことが青島神社の始まりとされている。
撮影/本誌・西山 航 取材・文/冨部志保子 ●特集内の表記、ふりがなは各神社、著者の指定に準じます。
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。