“年男年女”の正月きもの 第3回(全5回) 2023年の幕開けにふさわしい晴れ着姿でご登場いただいたのは、卯年生まれの皆さん。スポーツなど体を動かすことが得意なのも共通点で、健康的な笑顔と軸がビシッと決まった立ち姿が絵になります。
前回の記事はこちら>> 水上恒司さん【1999年生まれ】
この一年は死ぬ気で働きます
水上恒司(みずかみ・こうし)1999年福岡県出身。2018年に岡田健史の芸名でドラマ『中学聖日記』で俳優デビュー。大河ドラマ『青天を衝け』、映画『そして、バトンは渡された』などで好演。2022年9月に独立、本名で活動開始。11月に公式ファンクラブ「創造すたじお」を開設。新しいスタートを切った水上さんに選んだのは、若々しさが引き立つ柳色の御召のきもの。上品な銀鼠の吉野織地を羽織にし、仙台平の袴を合わせた準正装。
きもの、羽織、帯、袴、小物一式/銀座もとじ 男のきもの 扇子/井澤屋 履物/銀座ぜん屋本店恒星のように自ら発光して、周囲を照らす存在でありたい
「きものを着ると丹田に力が入るのが好きです」と話す水上恒司さんは元高校球児。ボールを投げる動作をしてもらうと、さすがに堂に入っています。
2022年の秋、「岡田健史」の名に別れを告げた彼が選んだのは本名でした。「恒司」という珍しい名は、ご両親が「恒星のように自ら発光して周囲を照らし、司る人間になれ」という願いを込めてつけたもの。
「自分でいうのもなんですが、合っている気がします。名前負けしないようにというプレッシャーもありません」。
衒いなく話す水上さんが人として大切だと考えているのは、先人たちの情熱や技術といったものを後世へつないでいくこと。
「そのために、僕は人生の終着点近くになったら、教育者になりたいんです。俳優を続けているのも、人として得られるものが多くあるからです」。
そんな長期的ヴィジョンを持つ水上さんに新年の目標を尋ねると、不敵な笑みを浮かべ、「一度死ぬくらいまで働く」との回答。
「それくらい仕事をいただければですけど。まもなく新しい作品の撮影が始まりますが、俳優以外にも、タクシードライバーの仕事もしてみたいし、和太鼓にも本気で取り組んでみたい。言霊といいますし、やりたいことはどんどん公言して実現させます!」。
怖いもの知らずの23歳、可能性は無限大です。
卯年生まれの今をときめく5人が競演
“年男年女”の正月きもの
撮影/鍋島徳恭 きものコーディネート/相澤慶子 ヘア&メイク/KOHEY〈HAKU〉 着付け/髙橋惠子 取材・文/清水千佳子
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。