“年男年女”の正月きもの 第4回(全5回) 2023年の幕開けにふさわしい晴れ着姿でご登場いただいたのは、卯年生まれの皆さん。スポーツなど体を動かすことが得意なのも共通点で、健康的な笑顔と軸がビシッと決まった立ち姿が絵になります。
前回の記事はこちら>> 山下美月さん(乃木坂46)【1999年生まれ】
たくさんのかたに私を知ってほしいです
山下美月(やました・みづき)1999年東京都出身。2016年、乃木坂46の3期生として活動を開始。ドラマ『着飾る恋には理由があって』『じゃない方の彼女』での演技も話題になる。現在、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』でヒロインの幼なじみ役を熱演中。柔らかな珊瑚色の振袖に、常盤色の帯が瑞々しく映えて。ダイナミックな雪輪の中に舞う宝尽くしや松竹梅が、新たな年を幸せで満たします。
きもの、帯/創作京呉服多かはし 伊達衿、帯揚げ、帯締め/和小物さくら 扇子/井澤屋 髪飾り、帯留め/かづら清老舗アイドル、そして女優。今やっていることはすべて未来につながっています
「淡いコーラルピンクと白の色合いがウサギのようですね。自分の成人式ではエメラルドグリーンの振袖を選んだので、優しい色に包まれて幸せです」── 舞い踊るようにポーズを決める山下美月さん。
乃木坂46の一員としてアイドルを本業としながら、女性誌の専属モデルや女優でも注目を集めています。
「素顔の私はたくさんコンプレックスがありますし、アイドルとして常に“まっ白”な存在であることを求められることに、悩んだ時期もありました。人間は誰しも“白”以外の個性的な色を持っていますよね。だから、お芝居で別の誰かとして役の色に染まれる時間は、私にとって宝物です」。
現在、山下さんはNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で、ヒロインの幼なじみ・望月久留美という“色”をまとっています。久留美の明るく潑剌としたキャラクターは、見ている私たちにも元気を届けてくれます。
初めての大阪弁の役ということもあり、一人で東大阪の街を探索し、串カツ店やカフェで“生きたイントネーション”を勉強することもあったそう。こうして女優として経験を重ねながらも、ご自身にとってのホームはやはり乃木坂46だと語ります。
「芝居の現場で得たことはグループに還元できますし、逆にアイドルで培ったことを外の仕事で発揮できる機会もあります。相乗効果が生まれるお仕事のご縁は、一つ一つが奇跡。今やっていることはすべて未来につながり、人生の役に立つと思って感謝しています」。
凜とした眼差しの奥に、地に足をつけてまっすぐ現実を見据える久留美役が宿るようでした。
卯年生まれの今をときめく5人が競演
“年男年女”の正月きもの
撮影/鍋島徳恭 きものコーディネート/相澤慶子 ヘア&メイク/paku☆chan〈ThreePEACE〉 着付け/小田桐はるみ 取材・文/樺澤貴子
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。