若い頃の体重を追い求めるのではなく、体組成のバランスを見直すことが大事。体重ではなく脂肪と筋肉のバランスを意識する
一方、やせていた頃の体重に戻すことを目標にすると、やせすぎとなり、健康被害を起こす可能性を池田先生は指摘します。
「日本人を対象にしたコホート研究からやせすぎても太りすぎても死亡リスクが高まることがわかっています」。
●やせている人のほうが死亡リスクは高い!
約35万人のBMI(体格指数)と死亡リスクのデータを解析した結果、最も死亡リスクが低いのは男性ではBMI25.0~26.9、女性では23.0~24.9。男女ともやせている人のほうが死亡リスクは高かった。この研究から“長生きする理想体重”を導き出すと、身長160センチの場合、体重は58.9~63.7キロとなる。また、体重だけを追いかけると体の土台を支える大事な筋肉を減らす危険性もあります。
「体組成(脂肪、筋肉、骨、水分の構成)のバランスを意識することが重要です。脂肪と筋肉を入れ替えるような健康的なダイエットに取り組むことで、たとえ体重は同じでも体組成が変わり、おのずとプロポーションもよくなります」と池田先生はアドバイスします。
次回からは生活習慣を通して体組成を変えていく方法を具体的に紹介していきます。どうぞ、お楽しみに。
取材・文/渡辺千鶴 イラスト/平松昭子
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。