傑出した才能を発揮して演劇や映像作品で魅せるベネディクト・カンバーバッチ。最新作では猫の絵で有名なイギリスの画家、ルイス・ウェインの伝記映画『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』で主人公を演じた。
『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』
©2021 STUDIOCANAL SAS -CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 配給:キノフィルムズ19世紀末に上流階級の家に生まれたルイスは早世した父に代わり、イラストを描いて家族を養っていた。そして妹たちの家庭教師だったエミリーに恋をし、身分の違いによる周囲の反対を押し切って2人は結婚する。
幸せな日々は妻の末期がんの発覚で一転するが、迷い子猫をピーターと名づけて迎え、妻のために猫を描くのだが......。
遺された猫とともに生き、愛らしくて生き生きとした表情の猫の絵を描き続けることで愛を貫く素敵な物語だ。
妻への一途な気持ちや画家が作品と向き合う真剣さなど、表情や動きにはカンバーバッチの繊細な演技が光る。
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でカンバーバッチが見事に演じたのは、ルイスとは全く異なる冷酷な大牧場主、フィル・バーバンク。
トーマス・サヴェージの同名小説が原作で1920年代のアメリカを舞台に繰り広げられる人間ドラマである。
フィルの真意がどこにあるのかを最後まで観る者に問いかけ、鑑賞後にも余韻が残る心理劇だ。
『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』
2021年 イギリス 111分
監督・脚本/ウィル・シャープ
原案・脚本/サイモン・スティーブンソン
出演/ベネディクト・カンバーバッチ、クレア・フォイ、アンドレア・ライズボロー、トビー・ジョーンズほか
URL/
https://louis-wain.jp/TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中
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構成・文/山下シオン
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。