“まさに「どうする松本」な日々を過ごしています”(松本 潤さん)
常に翻弄されているような役をどう演じていくか
徳川家康といえば、江戸幕府を開いた天下人。鎮座する老齢になってからの肖像画を思い浮かべる人が多いのでは? そんなイメージを一新しそうなのが、『どうする家康』で松本 潤さんが演じる家康です。特に若き松平元康時代は、ナイーブで頼りない存在。次々とピンチに見舞われます。
「僕も家康には、狸親父と形容されるような“ちょっと恰幅のいいおじさん”のイメージがありました。最初にオファーをいただいた時はびっくりしたんです。なんで、大河ドラマに出たこともない私に?しかも家康?って。でも考えたら、誰につき、誰を裏切るかという選択一つで、生きるか死ぬかが変わってくるのが戦国時代。
そんな中、強国に挟まれた三河のプリンスとして生まれ育った家康は、次々と起こる問題に“どうする?”と厳しい決断を迫られていたんじゃないかと。そう思うと、なるほどぴったりな役とタイトルなんですよね。僕自身、常に翻弄されているような元康時代をどう演じていくか、まさに“どうする松本”な日々を過ごしています(笑)」
出演が決まって以降、所作や乗馬を学び、家康ゆかりの場所を巡っていたという松本さん。愛知でクランクインしたのは、2022年6月です。
“すごいことをやっているなという実感があります”
「すでに5か月(取材当時)撮っているのに、あと1年も撮影があるなんて、すごいことをやっているなという実感があります。こんなに長い期間一人の人物を演じ続けることは、後にも先にもない気がしますね」
古沢良太さんが描く家康像については、「もちろん“か弱きプリンス”としても描かれていますが、と同時に、一つ道を間違えたら死んでいたかもしれない中で、運も含めて生き延びるほうを選んでこられた人、と捉えています」。感情豊かで素直な性格には、親近感を覚えるといいます。
「焦って自分がやってしまったことを、すぐに後悔できる人で、その後悔を人前で素直に口にしてしまうところが、チャーミングであり、ダメなところでしょうね(笑)。でも、そこが過酷な日々が描かれる中で、ふっと笑えるシーンにつながっていくのかなと感じています。ワードセンス抜群の古沢さんの脚本は、読むよりも、現場でみんなと演じた時のほうが、より面白いんですよ。仕掛けも得意なかたなので、見ていて驚くような場面も出てくると思います」