症状の変化を、時間を追って友達に伝えるように話す
1つ目は医師が真っ先に知りたい「主訴」。「頭が痛い。おなかが痛い。めまいがする」など困り事をひと言で簡潔に伝えると、まずはそれがカルテの最初に書かれます。
2つ目は最初に具合が悪くなったときから現在に至るまでのストーリー。その症状がいつどのように始まり、どう変化してきたかの経過を話すのです。
「ポイントは時間軸に沿って順序よく語っていただくこと。もし最初に“もともと頭痛持ちなのですが”“頭痛知らずだったのですが”といったひと言が加われば完璧。相手が医師だからといって気負ったり緊張したりせず、自分の身に起きたことを“ちょっと聞いてよ”と友達に伝えるようなつもりで話してくれるととてもわかりやすいです」
ここまでくれば、医師の頭の中にはいくつかの可能性が残っているはず。患者は、さらに絞り込むために投げかけられる質問に対して、感情や自己分析など余計な言葉をはさまずに答えていけばよいのです。
質問が細かくて「根掘り葉掘り」と感じるかもしれませんが、問診は病気の診断という“犯人探し”の推理と同じ。患者の体に生じた客観的な出来事や状況が、医師にとって重要な手がかりとなりうるのです。