花も葉も幹も、優雅でさわやかな香りがする「ダンコウバイ」は魅力がたくさん！

ダンコウバイ

小さな黄色の花のかたまりがポンポンと枝につく様子がとてもかわいらしい！　細い枝が多く出ますが、その枝にも花が咲きます。

■属科・タイプ：クスノキ科の落葉中木
■花期：2月下旬〜4月

花も葉も幹も、白檀に似た優雅でさわやかな香りがします

栃木で暮らす友人宅で、早春の庭に咲いたダンコウバイをダイナミックに花器に挿しているのを見て、とても素敵だと感じました。黄色い花が小さなかたまりになって咲くさまは先日紹介したサンシュユによく似ていますが、ダンコウバイのほうが開花が少し遅く、花色がやや淡い印象があります。

関東以南の野山に自生しますが、昔から庭木としてもよく利用されています。花だけでなく、葉や秋に熟す実、幹からも白檀のような香りがすること、そして花がウメに似ていることから檀香梅＝ダンコウバイという名前がつけられたそうですが、花はアップで見ないとわからないほど小さく、果たしてウメに似ているかどうか…。

ロウバイ、オウバイ、ギョリュウバイなどウメとつく名前が多いのは、それだけ古くからウメが日本で咲いていて、ウメに魅了されていた人が多かったからではないかと、あらためてウメの偉大さに気づかされます。

ダンコウバイによく似た花に、同じクスノキ科クロモジ属のアブラチャンがあります。アブラチャンは花柄があるため、花が枝から少しだけ離れて咲いています。それに対し、ダンコウバイは花柄がなく、枝に直接花がついているのが特徴。黄色の丸い花房が枝に並びつく様子はとても愛らしく、それが大きな魅力だと思います。

友人によると細い枝がたくさん出て、それにも花がつくので、それを摘み取ってアレンジに利用するのだそうです。早春の花木が庭にあると、暮らしの楽しみが増えるのだなとうらやましく感じました。ちなみにダンコウバイは花後に出る葉もふっくらとかわいらしい形をしているので、花が咲いているのを見かけたら、初夏の葉もチェックしてみてください。秋の実と黄葉など、なかなか見所が多い花木ですよ。

栽培の難易度

日なたを好みますが、明るい日陰でも育ちます。植えつけ前に元肥を施せば、追肥の必要はありません。水やりは雨まかせでかまいませんが、植えつけから2年くらいの幼木の間は、土壌が乾いたらたっぷりと水やりします。細い枝が込み合って伸びるので、剪定しすぎてしまうことがありますが、自然樹形が魅力でもあるので、切りすぎないように注意を。枝の絡まりがひどい箇所だけ抜くようなイメージで切り落とします。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる