パリ・オペラ座ガルニエ宮内観 ©Jean-Pierre Delagarde/Opéra national de Parisフランスを代表する19世紀後半の絢爛な建築を擁し、世界屈指のバレエ、オペラの舞台でもあるパリ・オペラ座をテーマとした展覧会が開催中だ。担当学芸員、賀川恭子さんに聞いた。
エドゥアール・マネ《オペラ座の仮装舞踏会》1873年、石橋財団アーティゾン美術館エドゥアール・マネ《オペラ座の仮面舞踏会》1873年、ワシントン、ナショナル・ギャラリー「大きな見どころの一つが、ワシントンのナショナル・ギャラリーと当館が所蔵する、仮面舞踏会の様子を描いた2つの作品です。当館所蔵作品は習作とみなされることも多い作品ですが、荒々しい筆づかいで、ここに集う人々の熱気が感じられます。ナショナル・ギャラリーの所蔵作品はサロン(官展)に出品するために画面を念入りに構成しています。描かれた目的が異なるため、違った印象を与える2つの作品を隣り合わせて展示していますので、ぜひ見比べてご鑑賞いただきたいです」
レオン・サモイロヴィッチ・バクスト《『シェエラザード』でのイダ・ルビンシュタインの髪飾り》1910年頃、フランス国立図書館 ©Bibliothèque nationale de France本展では、絵画作品に加え、初めてポワントで踊ったバレエダンサーの一人、マリー・タリオーニ所有のトゥ・シューズ、モーツァルトやヴァーグナーの自筆譜、クリスチャン・ラクロワや髙田賢三などの衣装画、森 英恵や、毛利臣男などによる華やかな衣装といった作品も。
シャルル・ガルニエ《パリ・オペラ座(ガルニエ宮)のファサード立面図、1861年8月》1861年、フランス国立図書館 ©Bibliothèque nationale de France「お客さまのなかには、美術だけでなく、オペラやバレエのファンも多くいらっしゃいます。ルイ14世による設立時の17世紀から続くオペラ座の歴史の厚みと、オペラ座にまつわるさまざまな芸術をお楽しみいただける内容です。この展覧会をご覧になり、パリ・オペラ座を再訪されると、また新たな発見につながるのではないでしょうか」
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/安藤菜穂子
『家庭画報』2023年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。