7割が女性、更年期世代の10人に1人に起こる
「微小血管狭心症」とは
安静時に、胸痛のほかさまざまな部位の痛みで始まることも多い。安静時に突然起こる原因不明のさまざまな痛み
微小血管は冠動脈から枝分かれした髪の毛ほどの細い血管で、心臓内部に網の目のように入り込み、心筋に酸素と栄養を補給しています。
この微小血管が何らかの原因で痙攣して起こる病気が微小血管狭心症で、次のような症状があります。
夜寝る前やデスクワーク中などの安静時に突然、胸やおなか、奥歯、あご、腕や背部などの痛みや吐き気が始まり、みぞおちの痛みや圧迫感、呼吸困難感に襲われる。
症状は5分から10分以上続き、たびたび繰り返される──。普通の狭心症と違って冠動脈に異常は見られず、検査に表れないため診断の難しい病気です。
天野先生が微小血管狭心症の存在を初めて学会に報告したのは、今から40年も前のことでした。
患者の約7割が女性で、更年期女性の10人に1人に起こる、決して珍しくない病気なのですが、今も医療現場で広く知れ渡っているとはいえません。
まずはこのような病気があることを知っておき、症状に思い当たるときは女性専用外来の循環器内科の医師にかかるのがよいでしょう。
微小血管狭心症の特徴
原因不明の、以下のような症状がある
・胸やみぞおちのあたりの圧迫感や痛み、動悸
・喉を締めつけられるような苦しさ、呼吸困難感
胸痛に先駆けて以下のような症状が起こることがある
・奥歯のずきずき感や痛み
・吐き気、胃痛、腹痛
・あごの下から耳の後ろの違和感
・腕や背部の痛み、など
●安静時に起こることが多い
●前触れもなく、突然症状が始まる
●いくつかの症状が順番に、または同時に発生する
●症状は定期的に、または不定期に繰り返し発生する
●症状は5分くらいで治まる場合が最も多いが、10分以上続いたり、ときには胸痛や胸苦しさが1日以上続くこともある
女性外来オンライン「微小血管狭心症」を参考に作成
*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:
http://www.nahw.or.jp/hospital-info*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。
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