鏡リュウジ
12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
深層心理学では、神話やおとぎ話は心の真実を秘めているといわれ、星座のイメージが運命や心を映す占星術へとつながります。物語の中の、あなたを幸せに導くヒントを探しましょう。
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ほかの星座の物語を見る>>【牡羊座(3/21〜4/19)】
待っているだけではなく自ら動くことが、幸せの扉を開く
12星座の最初に位置する牡羊座の性格をひと言で表すと、比類なき開拓精神。「戦いの星」とも呼ばれる火星を守護星に持つ星座です。
童話やおとぎ話の中に登場する女性のキャラクターには、白馬の王子さまに助けられるお姫さまが多いものですが、いくつか例外があります。
その一つがグリム童話の中の一篇『マレーン姫』。許されぬ恋をして、父親によって真っ暗な塔の中に閉じ込められたマレーン姫は、7年後に自力で脱出を果たします。しかしそこで見たのは、敵に攻められ荒廃した父親の国でした。
閉じ込められた塔とは、父親からの呪縛そのもの。それを自力で壊し、抜け出すマレーン姫の行動は、立ちはだかる困難にもくじけない牡羊座の気質をシンボリックに浮かび上がらせます。
押しつけられた運命に対し、ただ救いの手を待つのではなく、自ら立ち向かっていく勇気は、あなたの中にも確かに息づいているはず。それは家族へのストレートな愛情表現や、家族をおびやかすものへの怒りといった形で内に秘めた情熱を溢れ出させるでしょう。
目の前の壁が高ければ高いほど奮起し、どんなトラブルにも負けじと力を尽くす牡羊座の姿は、身近な人々を照らす大きな光となります。
強いリーダーシップと行動する背中で思いを伝えるあなたは、暗い塔に閉じ込められても愛を失わず決してくじけなかったマレーン姫のように愛する人との幸せを手に入れられるでしょう。
【マレーン姫】
可憐で大人しいヒロインが多いグリム童話。その中で、唯一自ら積極的に行動し、王子と結婚して幸せをつかんだ女性が、マレーン姫です。
〔鏡リュウジ〕12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
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神話とおとぎ話はあなたへのメッセージ・
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魚座(うお座) 〔特集〕鏡リュウジと英国占術4人の巨匠たち 魔法と星の国「英国」へようこそ
鏡リュウジ
心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉 イラストレーション/山田博之
『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。