鏡リュウジ
12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
深層心理学では、神話やおとぎ話は心の真実を秘めているといわれ、星座のイメージが運命や心を映す占星術へとつながります。物語の中の、あなたを幸せに導くヒントを探しましょう。
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自分の欲求にこだわりすぎず、相手に寄り添うことも大事
牡牛座のあなたに伝えたい物語、それは「何でも黄金にしたい」という欲望から思わぬ悲劇を招いた、ミダス王の神話です。
あるとき、富と黄金を愛するミダス王は、酒と豊穣の神ディオニュソスに願い事を一つ叶えてもらいました。それは「触れるものが何でも黄金に変わるようにしてください」というもの。おかげで、ミダス王が触れる石も鉄も、花さえもが、たちまちまばゆい黄金に変わるようになったのです。
すべてが黄金に変わるなど、人生最高の願いかと思いきや、愛する人も食べ物も、文字どおり「何でも」黄金に。結局ミダス王は、ディオニュソスに頼み込み、元どおりにしてもらいました。
「美」と「所有」を象徴する牡牛座に生まれたあなたにとって、このお話は決して他人事ではないでしょう。大好きな「あれ」さえあれば何もいらないという思いは、こだわりの強い牡牛座の気質そのものであるからです。
愛を確かめたいと願うとき、豪華なプレゼントはわかりやすいシンボルです。しかし、日頃の感謝の言葉、心身が弱ったときの看護など、人によって愛の表現はさまざま。
特に家族との関係においては、相手が何に愛を投影しているかを知ることがいい関係を築く鍵となります。自分のものさしではなく、相手の価値観に寄り添う余裕が、大切な人との絆をよりいっそう深めてくれるでしょう。
【ミダス王の神話】
ギリシャ神話の一つ、ミダス王の物語。この話のほか、『王さまの耳はロバの耳』の王としても知られ、実在した人物ともいわれています。
〔鏡リュウジ〕12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
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神話とおとぎ話はあなたへのメッセージ・
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鏡リュウジ
心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉 イラストレーション/山田博之
『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。