鏡リュウジ
12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
深層心理学では、神話やおとぎ話は心の真実を秘めているといわれ、星座のイメージが運命や心を映す占星術へとつながります。物語の中の、あなたを幸せに導くヒントを探しましょう。
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内なる自分の声に耳を傾けることが、相手との愛情を深める
内なる自分と外なる自分。人は誰しも双子のような「もう一人の自分」を抱えています。意識と無意識、建前と本音など、双子座とは、そうした二面性を生まれ持って内在する星座だといえるでしょう。
しかし双子座は、それ以外にも頭の回転の早さと器用さ、巧みな話術を備えています。それにより、広く浅く知識を吸収し、コミュニケーション力を発揮する一方で、自らの心の奥深くにあるもう一人の「内なるきょうだい」である言語化しづらい欲求からは、知らず知らず目を背けるところがあります。
ロマン派の作家シャミッソーが書いた『影をなくした男』は、そんな双子座の一面をよく表しています。
お金に困った主人公が売り払ってしまった「自分の影」。こんなものは必要ないと思ったのに、いざ影を失ってみると、彼は人間としての扱いを受けられなくなってしまいました。
では、「影」とは何を象徴しているのでしょうか。それは、あなたの中にある隠された一面であり、見られたくない部分。家族など親しい人への不満や嫉妬心などもそこには含まれるでしょう。
親しい間柄だからこそ募る不満を、いえば喧嘩になるからと抑え込んではいませんか? 見ないふりをせず「寂しいな」「もっとこうしてほしいな」といった思いを、持ち前の話術で軽やかに伝えていけば、家族への愛情がより強まっていくはずです。
【影をなくした男】
原題は『ペーター・シュレミエールの不思議な冒険』。貧しい青年が悪魔と出会って自分の影を売り、金貨の出る袋を手に入れた物語。
〔鏡リュウジ〕12星座の物語が説く〈自分自身〉と〈人間関係〉
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鏡リュウジ
心理占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学大学院修了。英国占星術協会会員。日本トランスパーソナル学会理事。平安女学院大学客員教授。京都文教大学客員教授。東京アストロロジースクール代表講師。占星術の心理学的アプローチを日本に紹介。著書・訳書多数。
文/鏡リュウジ、浅島尚美〈説話社〉 イラストレーション/山田博之
『家庭画報』2023年2月号 別冊付録「2023年 開運・招福術」掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。