撮影/本誌・西山 航2月のモチーフを金銀の漆の銘々皿に集めて、盆のように合わせて自由に楽しむ。中央には柊と鰯、稲穂をたっぷりと敷く。ごまと麻の実の稲荷ずしは、春の苦み野菜で結んで。京都・宝玉堂のきつね煎餅は、麦粉や麴味噌で作られた香ばしい味わい。お面に見立てて子供たちにも喜ばれそう。
料理・文=三枝政代(料理家)節分は季節の分かれ目。我が家は家長が豆をまき、鬼が入らないよう素早く窓を閉めるのは子供の役目でした。福豆とお福和菓子で今年の無事を願い、歳を重ねることを嚙みしめ、春の始まりを迎えます。
2月最初の午の日は初午。伏見稲荷大社に神様が降りた日とされ、五穀豊穣を祈願して祭礼が行われます。神様の使いである狐が好きな油揚げの稲荷ずし、狐の煎餅に、絵馬も飾って、大人も子供も楽しいしつらえに。
暦の上では寒明けでも、本格的な寒さはこれから。ゆかいな楽しい気分のしつらえを皆で囲み、湯気の立つあつあつの酒粕汁で温まり、明日への活力となりますように。
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