まるで雪が降り積もったかのような「ユキヤナギ」。淡いピンクの品種も大人気！

ユキヤナギ

枝の茶色が見えないくらいに白い花が密に咲きます。枝の向きが一定ではないので、動きが感じられ、躍動感ある景色になるのもユキヤナギの魅力です。

■属科・タイプ：バラ科の落葉低木
■花期：3月中旬〜4月

躍動感のある美しい景色を生み出す花木です

まるで枝垂れるヤナギの枝に雪が降り積もったかのよう…。花が咲いているときに眺めると、そんな印象がそのままユキヤナギという名前になったことに大いに納得します。

観光ガーデンや公園で、そして個人邸の外周りで、これから真っ白な枝が枝垂れる景色に何回も出会えるのはうれしい限り。花いっぱいの枝が右へ左へと枝垂れるので、ひと株だけでも動きのある景色を生み出すのは、ユキヤナギならではの大きな魅力ではないかと思います。しかも、その景色は清楚でとても爽やか！

さて、そんなユキヤナギに淡いピンクの花が咲く‘フジノピンク’（またはフジノピンキー）という品種が誕生したことを知り、早く見たくてたまらなくなりました。想像するだけで、絶対にかわいらしいに決まっている、と。

その‘フジノピンク’に初めて出会ったとき、あまりの素敵さに思わず声をあげてしまいました。清楚なユキヤナギとはまた異なる、かわいらしくて優しい姿は、今でも目に焼きついて忘れられません。



淡いピンク色の花が咲く‘フジノピンク’は‘フジノピンキー’という品種名でも出回ります。蕾のときがいちばん濃いピンクで、開花すると淡いピンクになります。かわいらしいでしょう！

私と同じように感じた方が多かったのでしょう。‘フジノピンク’はあっという間に大人気となり、最近では散歩道や個人邸の外周りの植栽などでも見かけるようになりました。まだ実物をご覧になったことがない方、ぜひ散歩道で注意して探してみてください。

ユキヤナギは中国が原産ですが、古い時代に渡来し、関東地方以西では河原などで自生している姿も見られます。丈夫な性質なので、園芸の初心者でも手軽に育てられます。ちなみに近所に少し高い位置にあるレイズドベッド（立ち上げ花壇）にユキヤナギを数株植えているお宅があり、花の時期には目線より高い位置で白花が枝垂れる景色を楽しませていただいています。とてもセンスのよい植え方だなぁと感心することしきり。

栽培の難易度

耐寒性・耐暑性ともに強く丈夫で育てやすい低木です。日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えます。枝が密生するので、風通しのよい場所を選ぶのがおすすめです。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありません。翌年以降は、1月〜2月に緩効性肥料を株元に施します。剪定は花後の5月に行います。各枝にこんもりと花をつけるので、全体を刈り込むのではなく、枯れた枝や伸びすぎた枝をカットして、株を透かすような剪定をします。細い枝は基部から落とします。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる