『文にあたる』
装丁/寄藤文平+古屋郁美〈文平銀座〉牟田都子 著/亜紀書房図書館員を経て出版社の校閲部に勤務し、現在は個人で書籍・雑誌の校正を行う著者によるエッセイ集。冒頭に既存の本の引用文が掲げられ、それにまつわる校正・校閲についてのあれこれが綴られる。
引用文から広がる意外な話題を楽しく読み進むうちに、校正や校閲という仕事の厳しさや楽しさを知ることができる。
さらには、日常で目に触れる文章が、本来の文章の味を壊さぬように出過ぎず、かつ過不足なく、といった細やかな気遣いとプロの技術によってどのように届けられているのかに思い至る。
文章を読むことに、新しい感覚を加えてくれる一冊。
「#今月の本」の記事をもっと見る>> 『家庭画報』2023年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。