天野惠子先生のすこやか女性外来 第9回(04) 日本の女性医療、性差医療の先駆者で、ご自身の更年期体験も山ほどお持ちの、天野惠子先生の連載「すこやか女性外来」。今回は、天野惠子先生が推薦する、全国・女性外来を紹介します。
前回の記事はこちら>> 【天野惠子先生が推薦】全国・女性外来を訪ねて
高知いちょう医院 院長高橋亜佐子先生
●前回の記事
狭心症・心筋梗塞の症状には性差がある。女性の症状は広範囲に及び、診断されにくい漢方、栄養療法、デリケートゾーンのケア、心理療法など
自分を大切に、輝く女性を応援する医療
高橋亜佐子先生(たかはし・あさこ)1990年東京女子医科大学卒業。1994年実家の高知外科胃腸科病院に就職。1999年医院名を改称、2000年女性外来開設、2003年院長に就任。2019年1月副院長だった夫の急逝により一旦閉院するが同年8月「女性の心身の美と健康をサポートする医療」を掲げて移転再開。自らの更年期体験を経て、心と身体のトータルな診療を行う。たんぱく質と鉄分に注目。栄養を補い不調を改善
女性外来歴20余年。高橋亜佐子先生の医療は進化し続け、症状の改善や日常的なケアにとどまりません。
観葉植物や絵画が彩る待合室。広くアンテナを張り、先進的な概念の予防医学や心身に働きかけるセラピーなどを勉強して医療に取り入れたり、動画による女性医療の情報配信にも取り組んでいます。
診察室でYouTube動画の録画を行う。治療の基本は漢方薬と分子栄養学に基づく栄養療法。特に、大半の女性に不足しているたんぱく質と鉄分に注目しています。
「これらを補うと疲労感や頭痛、うつ症状など心身の不調が軽くなり、代謝が改善して漢方薬の効きもよくなるのです。気圧の影響による頭痛で月の半分近くを寝込んでいた女性が、2年間の栄養療法と漢方薬治療でよくなり、『人生が変わりました』と話されたのが印象的でした」
脱毛や保湿への関心、体のケアが意識を変える
デリケートゾーン(外陰部や肛門)のケアにも力を入れています。加齢に伴い乾燥しがちなその部分を保湿することで尿漏れ、膀胱炎、腟炎などのGSM(閉経関連尿路生殖器症候群)を改善し予防するといいます。
深部体温を上げて血流を改善、細胞を活性化させるインディバメディカルセラピー(自費診療)の機器。「脱毛をきっかけにデリケートゾーンの状態に目を向け始める女性が増えていますね。大事な部分をケアする習慣が意識まで変え、自分自身を大切にしたいという気持ちが強く芽生えたというかたも多く、女性医療の奥深さを実感しています」
アロマやサプリメントを並べた棚。デリケートゾーンケア用製品(ソープ、保湿用のジェル・ローション)と栄養補助食品。究極の予防医学とされるナチュラルホルモン補充療法、思考や感情の癖から抜け出す心理療法のゼロポイントセッション(いずれも自費診療、予約制)も専門的に学んだ高橋先生が対応。女性が自分らしく輝くための医療を幅広く提供しています。
Information
高知いちょう医院
高知県高知市追手筋1-9-22 高知メディカルプラザ2階
撮影/本誌・武蔵俊介 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2023年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。