手相術による自己理解がよりよい人生をもたらしてくれる
長年にわたる手相の研究は、個人的にも職業としても、私に多くの恵みを与えてくれました。自分自身の理解に役立ったほか、非常に幅広い、驚くほど多彩な人々と出会う機会をくれました。
手相術家としての仕事のおかげで、日本の古い寺院に招かれ、中国の銀行家たちにレクチャーをし、アメリカのセレブたちと親交を持つこともできました。ヨーロッパの王族に内密に面会したこともあります。
しかし、これまでにどこを旅してどんな人と会ってきたにせよ、一貫していた事実がひとつあります──人間は、違いよりも似ている部分のほうが大きいのです。私たちは人間らしさ(ヒューマンネス)で結ばれています。だれもが自分自身を理解し、表現することを求め、また理解され、受けとめられることを求めているのです。
手相術はまちがいなく、より深い自己理解につながります。そしてその自己についての知識が、人生や恋愛でよりよい選択をすること、自分の才能を見いだすこと、夢を追いかけることにつながっていきます。また逆に、よくない人間関係のパターンや、自分自身を傷つける行動からオプトアウトするための助けにもなります。
そして驚くべき事実は、私たちが人生で変化を起こすと、手のひらにも変化が起きるということです。両手に現れるしるしは、歳月をへて、私たちのとった選択や、人としての成長を反映して、変化していくのです。それは解放感を与えると同時に身の引き締まる事実でもあります──自分の人生がどう展開していくかの責任は、自分自身にあると理解することなのですから。
手の特徴の変化は、私たちがもつ、己の運命を形作る力の生きた証です。依頼者やロンドン・スクール・オブ・アストロロジーの生徒さんたちによく話すことですが、手相はいわば私たちの個人的な自伝だけれど、すべての章がすでに書き込まれているわけではありません。
ですから、手相に自分たちの未来への予言を期待するよりも、私は、こう問いかけます──あなたの人生の次なる章を書く準備はできていますか?