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いち早く開花する「原種系チューリップ」とは?一般的なチューリップとの違いも

2023.03.16

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

原種系チューリップ


原種系チューリップ
1球の球根からいくつもの花が咲くポリクロマ。草丈は10〜20cmですが、花は意外に大きく、頭でっかちな姿が微笑ましく感じられます。少しだけシルバーがかったように見える白い花弁が魅力的で、原種系の中でも早くから咲き出します。

■属科・タイプ:ユリ科の秋植え球根
■花期:3月〜5月上旬

■草丈:10〜30cm

野趣を感じさせるチューリップは愛嬌もたっぷり!


3月も中旬に入るとさまざまな花が咲き出し、春の雰囲気が感じられるようになります。なかでもチューリップが咲いているのを見かけると、春が来たんだぁと実感できるのではないでしょうか。

チューリップには多くの品種があり、系統ごとに早生、中生、晩生など開花の目安が示されていますが、いち早く開花するのが原種系です。チューリップの原産地は中央アジア~北アフリカで、そこに自生する野生種やそれらの自然交配種を原種系チューリップと呼んでいます。草丈が短いこと、また花が小さいことからミニチューリップとも呼ばれます。

一般的なチューリップより球根も小さいのですが、花後に球根を掘り上げなくても数年は花が楽しめるのが大きな魅力で、散歩道でも「去年もここで咲いていたよね」という原種系チューリップによく出会います。

原種系チューリップクルシアナ系の‘レディジェーン’。スレンダーな株姿が魅力的で、とくに花が閉じた状態がスマートな印象です。

原種系チューリップは大別すると、草丈がごく低いタイプと、草丈はそこそこですらっとスマートな株姿が魅力のクルシアナ系があります。草丈が低いタイプは、ずんぐりむっくりした株姿に愛嬌があり、なかには地際近くで花を咲かせる種類もあって、そのユニークな姿に思わず笑ってしまうこともたびたびです。

また、クルシアナ系を代表する人気品種として知られるのが、外弁が赤で内弁が白の‘レディジェーン’で、そのすらりとした姿にはいつも惚れ惚れします。

チューリップは日差しと温度の上昇で花弁がどんどん開いていくので、朝見たときには閉じていた花が、昼間に見に行くとパカッと開いて印象がまったく違っているということもよくあります。原種系のチューリップはとくに花形の変化がよく目立ち、それがとてもかわいらしく感じられるので、晴れの日、曇りの日、また違う時間帯と、何度か見に行って観察してみてください。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★☆☆☆☆

球根の植えつけ適期は10月~11月。元肥を施し、球根3球分の深さに植えつけます。植えつけ時にたっぷり水やりすれば、あとは雨まかせでかまいませんが、発芽してくると水を欲しがるので、土壌が乾いていたらたっぷり水やりします。追肥の必要はありません。終わった花がらは随時摘み取り、葉は自然に枯れるまでそのままにします。球根を掘り上げなくても、植えっぱなしで数年続けて開花します。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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