エストロゲンが減ると増えてくる
女性の動悸・息切れ、不整脈。精神的ストレスも大きな要因
更年期には卵巣機能が低下し、脳の視床下部という場所から「エストロゲンを出せ」と命令されても応えることができません。そのため視床下部は混乱して指令を乱発。周辺にある自律神経の中枢も影響を受けてバランスを崩してしまいます。
自律神経は呼吸や心拍、血圧の維持も担っているので、動悸・息切れ、不整脈などの症状が生じるのです。不規則な生活や運動不足、精神的ストレスも自律神経を乱す原因になります。
まれに病気が隠れていることも......。
心臓や甲状腺、肺などの病気の可能性があります
中には心臓や甲状腺、肺などの病気の影響で動悸や息切れが生じていることがあります。下の表のような症状に思い当たるときや、生活習慣の改善や漢方薬でも一向に治まらない場合は受診して検査を受けましょう。
また、徐脈と頻脈が長く続いたり、繰り返されるような不整脈のある場合も診察を受け、心臓の病気が隠れていないかを調べる必要があります。
動悸・息切れに伴い以下の症状があるときは受診を
・咳や痰がおさまらない
・「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音がする
・体を少ししか動かしていないのにすぐに息が切れる
・呼吸がしにくい
・胸が痛い
・むくみがひどい
・倦怠感がある
・めまいやふらつきがある
・冷や汗が出る
・失神する
公益財団法人心臓血管研究所 付属病院HPを参考に作成
動悸・息切れの原因として考えられる主な病気
●心臓の病気
発作性心房細動、上室性頻拍、微小血管狭心症、冠攣縮性狭心症
●甲状腺の病気
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)、甲状腺機能低下症(橋本病など)
●肺の病気
肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、自然気胸
●血液の病気
高度貧血
*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:
http://www.nahw.or.jp/hospital-info*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。
公式サイト「女性外来オンライン」:
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「女性外来オンラインチャンネル」はこちら>> イラスト/佐々木 公〈sunny side〉 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2023年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。