タンポポは花の集合体だった！外来種のセイヨウタンポポとの見分け方も

タンポポ

鎌倉のお寺の庭先で、ソメイヨシノの下で咲くタンポポ。株幅が50cm近くある大株に驚きました。花の裏側のがく片が反り返っているのでセイヨウタンポポと判断。

■属科・タイプ：キク科の宿根草
■花期：3月〜5月

■草丈：10〜30cm

タンポポの花弁1枚ずつが、じつは一つの花だった！

この時期、散歩に出れば必ず出会うのがタンポポです。あまりに見慣れているせいか、意外にタンポポの写真のストックが少なく、軽い扱いをしていたようで少し申し訳なく思っています。誰でも知っているタンポポを今回取り上げたのは、鎌倉のお寺の庭先で、びっくりするくらい大株のタンポポに出会い、あらためてタンポポの生命力の強さに心を打たれたからかもしれません。

日本では在来種のタンポポと、外来種のセイヨウタンポポが咲きますが、住宅地で見られるタンポポのほとんどは外来種といわれています。同じような花でも違いがけっこうあり、見た目でわかるのは、花の根元のがく片です。大きく反り返っているのが外来種です。

また、開花時期にも違いがあり、在来種は春に花が咲き、夏は休んで秋に再び咲くものもあります。外来種は春が花の盛りですが、その後も秋まで少しずつ咲き続けます。夏に咲いているタンポポを見かけたら、外来種だと思って間違いないと思います。

もう一つ、タンポポについておもしろいエピソードを紹介しましょう。タンポポの花を見ると花弁が100枚以上あるように見えますよね。じつは花弁に見えるものが一つの花なのです。タンポポは小さな花が100〜200個集まって、あの花形になっています。

花弁に見える部分にはそれぞれにおしべ、めしべなどがちゃんとあり、花弁の枚数は5枚と決まっています。ためしに花を分解してみると、花弁にうっすらと4本の線が入っているのがわかります。これが花弁5枚の名残です。このように花弁がくっついた状態の花を合弁花といいます。

タンポポといえば黄色ですが、モモイロタンポポと呼ばれる花もこの時期にかわいらしい花を咲かせます。タンポポとは属が異なるので別の植物ですが、花はタンポポの色違いといった雰囲気で、初めて目にしたときには新鮮な印象を受けました。どこかで咲いていないか、散歩中に気をつけて探してみてください。


がく片が反り返っていないことから在来種と判断。在来種のほうが株サイズも花サイズも少し小さめです。

栽培の難易度

日当たりを好みますが、半日陰でも育ちます。強健な性質で土壌も選びません。痩せ地であれば、植えつけ時に元肥を施しますが、他の植物も植わっている庭や花壇であれば元肥も必要ありません。水やりは雨まかせでかまいませんが、土壌がからからに乾いたときには水やりします。花後に綿毛となるのは4月〜6月。それ以上増やしたくない場合は、綿毛が飛ばないうちに摘み取ります。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる