春のやわらかな光を透すアクリルの器はすべて「mas/mas」。左の黒いお重には蛤ずし。赤いお重には紅白なます。中央の白のお重にはさっと蒸した白魚、からすみ、菜の花。干菓子や花見酒を入れた小さな枡は、お重の中に入れたり、重ねたりと自由な組み合わせで楽しめる。ぼた餅は「和菓子 Lino」。
料理・文=三枝政代(料理家)3月は日の光が美しい季節。山々にも畑にも、黄色い花が芽を出し始め、春を告げてくれます。徐々に桃の蕾もふくらんでくると、桃の節句と雛祭り。女の子の健やかな成長を祝う節句に、幼い日の思い出が甦るようです。料理はアクリルのお重に詰めてモダンに。光を透すお重が、華やかさを引き立ててくれます。
春分の日を中日としたお彼岸には、ご先祖様を偲ぶ慣わしがあり、ぼた餅をお供えします。今年は菱形のアクリルの台に飾って。アカバナ科一年草の菱の形を模した菱餅は、菱の繁殖力の強さから子孫繁栄や長寿の願いが込められています。
桃の花を1輪浮かべた花見酒と共に、春の雛祭りのご馳走をお供えしてみました。
・
連載「暮らしの中の盆遊び」記事一覧はこちら>>>