人はなぜ“旅”をするのだろうか。『コンパートメントNo.6』は最悪な出会いだった2人が、長い旅で心を通わせていくラブ・ストーリー。
『コンパートメントNo.6』
ⓒ2021 - Sami_Kuokkanen,AAMU FILM COMPANY 配給:アット エンタテインメントモスクワに留学中のフィンランド人のラウラは、世界最北端駅のムルマンスクにペトログリフという古代の岩面彫刻を見に行く目的の旅を計画していた。
恋人からドタキャンされてひとりで旅立ち、同じ寝台列車6号コンパートメントで乗り合わせたのがロシア人の労働者、リョーハだった。
1990年代の携帯のない時代に、不器用で孤独な男女が言葉を超え、魂で互いの優しさなどを理解していく様が描かれている。
『すべてうまくいきますように』
ⓒ 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ –France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION –SCOPE PICTURES 配給/キノフィルムズフィンランドの新鋭ユホ・クオスマネン監督が作家、ロサ・リクソムの小説をもとに映画化し、2021年の第74回カンヌ映画祭コンペティション部門に出品され、グランプリを受賞した。
『すべてうまくいきますように』は、名匠フランソワ・オゾンが集大成として手がけた安楽死を願う父と向き合う2人の娘の物語。
脳卒中で倒れたものの、治療で回復しているのにもかかわらず、死を選ぶ父に対して戸惑い、思い悩む家族はどう決断し、行動するのか。
父の人生の旅の終わりをサポートする娘をソフィー・マルソーが演じ、親を思う切実な心情が伝わってくる。
『コンパートメントNo.6』
2021年 フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ合作 107分
監督/ユホ・クオスマネン
原作/ロサ・リクソム
出演/セイディ・ハーラ、ユーリー・ボリソフ、ディナーラ・ドルカーロワほか。
URL/
https://comp6film.com/新宿シネマカリテほか全国公開中
編集部おすすめ
『すべてうまくいきますように』
2021年フランス・ベルギー合作 113分
監督・脚本/フランソワ・オゾン
出演/ソフィー・マルソー、アンドレ・デュソリエほか。
URL/
https://ewf-movie.jp/ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマほか公開中 構成・文/山下シオン
『家庭画報』2023年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。