日本の伝統色のひとつ、輝くような黄色の「ヤマブキ」が咲き出す季節です

ヤマブキ

八重咲きのヤマブキのあでやかな美しさをご覧ください。枝垂れる枝に花がたくさん咲くのでボリューム感もあり、華やかな山吹色を堪能できます。

■属科・タイプ：バラ科の落葉低木
■花期：4月〜5月

おなじみの花木に子供の頃の懐かしい記憶が甦ります

輝くような黄色のヤマブキが咲き出しましたね。子供の頃、家のすぐ前にヤマブキの大きな株があり、この時期には玄関を開けたとたん、ぱっと輝くような黄色が目に飛び込んできました。この株の隣が遊び場だったので、長く枝垂れる枝の内側に潜んでみたり、花を摘んで押し花にしたり、ヤマブキをごく身近に感じていました。日本の伝統色の一つである山吹色がこの色だと認識したのもこの時期だと思います。

今でもヤマブキは人気があり、散歩道でもよく見かけます。そのヤマブキを見て、何だか時代の変化を感じてしまいました。私が覚えているヤマブキは、5枚の花弁の一重の花ですが、最近見かけるヤマブキは八重咲きがほとんど。一重のヤマブキはなかなか見かけなくなりました。

八重咲きのヤマブキは花が立体的で､枝垂れる姿もボリューム感があり、遠目にもよく目立ちます。とてもかわいらしいなと思いつつ、たまには清楚な一重のヤマブキにも出会いたいと感じています。


ヤマブキとは属が異なる白ヤマブキ。花弁が4枚とヤマブキより1枚少ないせいか、すっきりした美しさです。

さて、一重の純白の花が美しい白ヤマブキをご存じでしょうか。黄色のヤマブキの花色違いだと思っている方も多いと思いますが、白ヤマブキは別の植物です。ヤマブキはバラ科ヤマブキ属、白ヤマブキはバラ科シロヤマブキ属。白ヤマブキは一重で花弁が4枚しかありません。1枚花弁が少ない白ヤマブキの清楚な花もまた魅力的で、個人的にはどちらも大好きな春の花木です。

ヤマブキは日本と中国が原産なので、環境にも順応しやすく、栽培のしやすさもまた大きな魅力だと思います。

栽培の難易度

日なた、または明るい日陰で、極端に乾燥しない場所であれば育ちます。肥沃で水はけのよい土壌を選んで植えます。植えつけ時に元肥を施し、たっぷりと水やりします。幼木の間は土壌が乾いたら水やりをしますが、成木になれば水やりは雨まかせでかまいません。翌年以降の施肥は年に1度、2月〜3月に緩効性肥料をまきます。ヤマブキは枝の途中でカットすると、そこから枯れてしまうことがあるため、剪定は枯れ枝を取り除く程度でかまいません。地際から新しい枝が伸びてきて株が大きくなっていきます。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる