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風に揺れる姿が美しい。感動を呼ぶ景色をつくる「アグロステンマ」

2023.04.26

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

アグロステンマ


アグロステンマ
濃いピンクに花心の白が印象的なアグロステンマ・ギタゴ。日本で出回るのはこの種類がほとんどです。

■属科・タイプ:ナデシコ科の一年草
■花期:4月〜6月

■草丈:70〜100cm

ピンクの花が風にそよぐ景色が魅力的


感動を呼ぶ景色をつくるという点で、プロのガーデナーさんたちがよく利用する花の一つがアグロステンマです。

花色は濃淡ピンクしかないのですが、それが咲き揃うととても華やかで、しかもナチュラルな印象を与えます。アグロステンマは茎が細く、草姿も華奢なのですが、その茎がとてもしなやかなのですね。

春の一年草のなかでも草丈が高いので、風が吹くと、株の根元のほうから右へ、左へと揺れ動く、そのシーンが本当に美しく、目に焼き付いて離れないほどです。観光ガーデンだけでなく、道端で咲いていることも多く、数株でも風に揺れるシーンを楽しむことができます。

アグロステンマ
カメラマンの横田さんは、アグロステンマの群生が風に揺れるシーンがとても好きで、これは神奈川県の観光ガーデンで撮影したものだそう。これが左へ、右へと動くのがとてもきれいで、動画を撮るのもおすすめです。中に交じる青い花はヤグルマギクです。

原産地は地中海沿岸地方から西アジアにかけてで、ヨーロッパでは畑や牧草地などで雑草のように咲いているのをよく見かけることから「麦畑の雑草」とも呼ばれています。

和名のムギセンノウ、ムギナデシコも、麦畑で勝手に咲くほど丈夫な性質からついた名前でしょう。日本には明治時代の初期に渡来したといわれ、当時は切り花で楽しまれていたようです。現在では日本の環境に適応して自生している姿も見られ、丈夫な性質なのだなあと感心します。

アグロステンマというと、どうしても印象的な群生する姿が浮かんでしまうのですが、花1輪をアップで見てもとてもかわいらしく、また、5枚の花弁が大きくやわらかで、外向きに少しカールしているのも、風に揺れたときの美しさを引き出しているように感じられます。

群生を見かけたら、ぜひ1輪の姿もアップで撮影しておいてください。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

アグロステンマは苗での出回りが少なく、タネを入手して栽培するのがおすすめです。タネからでも比較的容易に栽培できます。タネまき適期は9月〜10月。寒冷地では4月になってからタネまきすることも可能です。ポットまきして、本葉が5枚くらい育ったら、花壇に植えつけます。本格的な寒さが来る前の12月中旬までに植えつけるようにします。日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えます。植えつけ前に元肥を施したら、その後の追肥は必要ありません。また、水やりも雨まかせでかまいませんが、土壌がからからに乾いたら水やりします。終わった花がらは随時摘み取ります。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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