ピンクの「スズラン」を見たことはありますか？春の観光ガーデンで探してみて

スズラン

長野県の観光ガーデンで見かけたスズランは、なんと花色が淡いピンク！ドイツスズランにはピンクの種類もあります。

■属科・タイプ：キジカクシ科の宿根草

■花期：4月〜5月
■草丈：15〜20cm

温暖地でも咲いていますよ、かわいらしい花が！

「スズランのようにかわいらしい花」。これはベル型の花を形容するときによく利用するフレーズです。ベル型のどの花よりかわいらしく知名度が高いので、スズランのようと書けば、皆さまにもそのイメージが明確に伝わると考えています。

スズランには日本原産の種類（Convallaria keiskei）がありますが、夏の高温多湿に弱いため、冷涼な地域で栽培される山野草のイメージがあると思います。

ところが、現在出回るものの多くはヨーロッパ原産のドイツスズラン（Convallaria majalis）で、日本のスズランより性質が丈夫で、花も草姿も大きいのが特徴です。



神奈川県の観光ガーデンで、スズランの群生を見かけました。これは4月下旬の様子で、花がたくさん咲いています。後ろの青紫の花はアジュガ。

耐寒性が強いのは日本のスズランと同じですが、耐暑性が日本のものほど弱くないため、温暖地でも栽培ができます。観光ガーデンでもスズランを咲かせているところがあり、来訪者が次から次へと写真を撮っているのを見かけると、やはり人気の花だなぁと感じます。

近所の車のディーラーさんには、北側の通りに面した広いショーウインドーの前にレイズドベッド（立ち上げ花壇）があります。何を植えても長く続かず、最終的には全面をドクダミが埋めてしまうのですが、ある年、そのドクダミを全部抜いて植え替えをしているのを見かけました。

何を植えたのか気になって見に行くと、なんと一面にスズランが植わっていました。これはうれしい驚きで、数日後に再び訪ねるとかわいらしい白い花がいっぱい咲いていて、感激しました。まさか、東京でスズランの群生を見られるなんて！

冬越しし翌年も花が咲きましたが、残念なことにその後はまたドクダミがはびこって、スズランは消えてしまいました。ドクダミ強し！でも、2年だけでもすぐ近くでスズランの群生が見られたことは、忘れられない思い出になっています。

個人邸の庭や外周りでもスズランを植えているお宅があるかもしれないので、散歩道でも気をつけて探してみてください。

栽培の難易度

明るい日陰か、夏に木陰となる落葉樹の下に植えます。水はけのよい土壌に元肥を施してから植えつけ、たっぷり水やりしたら、その後は雨まかせでかまいません。土壌がからからに乾いたら水やりをします。追肥の必要はありません。花が咲き終わったら、花茎の付け根で切ります。葉は自然に枯れるまでそのままにしておきます。株が増えて込み合ってきたら、10月中旬くらいに株分けをします。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる