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いちごのプロに聞く、おいしいいちごの選び方&食べ方とは? 都道府県別いち押しいちごも!

2023.03.31

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春、日本列島はいちご色に染まる 日本全国いちご図鑑 第12回(全13回) 現在、品種登録されているいちご品種は全国で300を超え、作付けされる主要品種は70以上。これだけ多種多様ないちごを味わえるのは世界において日本だけかもしれません。晩秋から春にかけて、日本列島を席巻する甘酸っぱい赤い宝石「いちご」の魅力を深掘りします。前回の記事はこちら>>

いちごのプロはこう選ぶ、食べる


松本貴行さん(栃木県農業試験場いちご研究所 企画調査担当 特別研究員)
いちごをおいしく食べる一番のポイントは、完熟であること。へたのところまで赤くなっているいちごを選びましょう。甘みのほか酸味、香り、程よい口当たりと歯ごたえも大切です。食べ方の好みは人それぞれですが、いちごは先端がいちばん甘いので、ひと口で食べられないときは、先端を最後に食べるかたも多いです。

伊澤敦彦さん(伊澤いちご園 代表取締役)
いちごを選ぶポイントは艶です。ハリがあって、ピッカピカのいちごのおいしさは抜群です。僕は2Lサイズくらいの中粒のいちごをひと口で食べると、味と香りの凝縮感が感じられて好き。練乳は絶対につけません。でも、ショートケーキのように甘さを抑えた生クリームと一緒に食べるのはおいしいですね。わが家で飲むいちごジュースは、いちご:ミルク=8:2が基本です。


江森宏之さん(メゾンジブレー オーナーシェフ)
いちごの中には円錐形でいやに細長い実のものがあって、僕としてはそれが最強に旨いと思っています。何もつけずにそのまま食べるのが基本的には好きですが、ざっと刻んでいちごやベリーのコンフィチュールとマリネして食べるのも好きです。そばにヨーグルトが少しあれば最高。いちごは乳と相性がいいので、ショートケーキは何も考えずに食べてもおいしいですね。

田口直樹さん(和銅農園 代表取締役)
いちごはやはり、摘みたてをそのまま食べるのが最高です。艶とハリがあって、へたの下まで赤く色づいたものを選びます。新鮮なものはへたが上に反るので、それも見極めのポイント。食べるときは、先端もへたの近くも同時に食べられるように、いちごを横向きに持ってパクっとかじります。いちごに飲むヨーグルトを少なめに加えてミキサーにかけ、スムージーにして飲むのもおいしいと思います。

都道府県に聞く、2023年いち押しいちご
初夏から夏が旬のいちご


北海道「ゆきララ」


ゆきララ(北海道)

2020年に品種登録され、4月下旬~7月上旬に道内を中心に出回る。雪国北海道にて春の収穫の心躍る楽しさを表現した名前に。

秋田県「そよかの」
農研機構東北農業研究センターで育成された希少品種。6月~7月に出回り、「そよかぜの吹き渡る野で収穫」するイメージより命名。

山形県「おとめ心」


おとめ心(山形県)

4月~6月の初夏の頃に出回る「おとめ心」の果実は、しっかりとしていて、日持ちのよさが最大の特徴。

東京都「東京おひさまベリー」
4月~5月に出回る、ビニールハウスが不要な露地栽培向けの「東京おひさまベリー」。家庭用プランターでの栽培も可能。

山梨県「かいサマー」
7月~10月に収穫される「かいサマー」。「甲斐(かい)国」で生まれた、盛夏期にも連続収穫可能で食味もよい四季成り性のいちご。

長野県「サマーリリカル」


サマーリリカル(長野県)

6月~11月に出回る。名前の「lyrical(リリカル/抒情的・感情豊かな)」は、すべての人に感動を与える品種となることを願ってつけられた。

徳島県「サマーアミーゴ」
夏季の冷涼な気象条件を生かし、標高の高い所で主に栽培される。輸送性が高く、業務用に適した夏秋どり品種。

ご当地いちご自慢


県が独自に開発した品種以外にも、各所で「愛されるいちご」作りが盛んに行われています。

青森県八戸市は昭和28年頃よりいちごの生産を本格的に始め、今では県内最大の産地として「さちのか」や「すずあかね」などの品種を「八戸いちご」の名で生産しています。

大阪府では、厳しい基準をクリアした「紅ほっぺ」を「ちはや姫」という愛称でブランド化しています。

島根県安来市は、古くからのいちごの産地で、「完熟」にこだわり、地元を中心に販売しています。日照時間が短いため、ゆっくり時間をかけて熟成させるのが安来(やすぎ)のいちごのおいしさの秘訣です。

くだもの王国、岡山県では、“晴れの国”で太陽をいっぱい浴びて栽培された最高級ブランドいちご「晴苺(はれいちご)」が登場しました。果皮だけでなく、果肉まで赤色であることを特徴とし、「ハレの日」の贈り物にぴったりです。



晴苺(岡山県)

日本のいちご作付面積第5位を誇る長崎県では、「ゆめのか」や「恋みのり」の生産に力を入れています。すぐに冷蔵庫へ保存するなど、徹底された鮮度管理がおいしさの秘訣です。

宮崎県では「さがほのか」の流通が盛んなほか、県が独自に基準を設け、それを満たしたいちごのみを認証する「みやざきフレッシュいちご」もあります。




【豆知識】
世界一のいちご生産国は?


国際連合食糧農業機関(FAO)データ 「FAOSTAT(2021年)」によると1位は中国(338万トン)、2位はアメリカ (121万トン)、3位はトルコ(67万トン)と続き、日本は11位(16万トン)。
取材・文/瀬戸理恵子
『家庭画報』2023年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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