2023年3月1日から東京の国立新美術館でスタートした「ルーヴル美術館展 愛を描く」。ルーヴル美術館に所蔵される膨大な作品の中から、16世紀から19世紀半ばまでに描かれた、愛をテーマにした73点の絵画が出展されています。パリ在住の美術展プロデューサー・今津京子さんに、知られざる愛の名画の秘密を教えていただきましょう。
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「愛を描く」とは?
“ルーヴルの三大レディ”と呼ばれる「モナ・リザ」「サモトラケのニケ」「ミロのヴィーナス」をはじめ、ルーヴル美術館には50万点を超える数の作品が所蔵されています。古代から19世紀半ばのものまで9つの部門に分かれていますが、大きな宮殿の中に9つの美術館があると感じるような規模です。7万3000平方メートルという展示総面積は世界一。そして昨年の入場者数は780万人を超えました。これも世界最多です。
(c)Musée du Louvre, dist. RMN - Grand Palais / Olivier Ouadah 本展のテーマは「愛」。古今東西、老若男女に語りかける普遍的なテーマをルーヴル美術館と日本側チームとで議論してゆく中で選ばれました。16世紀から19世紀半ばまでの73点の絵画が出展されていますが、それぞれに愛のテーマを読み取ることができます。
愛欲を隠さない神々が登場するギリシャ・ローマ神話、独特の見方で愛を捉えるキリスト教、あるいは古代の叙事詩や悲劇的な死を迎える文学作品であったり、世俗的な場面を捉えた作品もあります。主題を知ると、画家は物語のどの場面を選んで、どのように描いているのかなど、新たな鑑賞の楽しみが広がることでしょう。
(c)I. M. Pei (c)Musée du Louvre - Nicolas Guiraud 多様な愛の形が認められる現代は、同時に性愛の描写にも制限や自制がかかりがちですが、「愛の絵画は、社会の中の人間関係、特に男女の関係を映し出すプリズムである」と、ルーヴル美術館のローランス・デ・カール館長は述べました。ありそうな話やなさそうな話に、是非、心を遊ばせてください。
『ルーヴル美術館展 愛を描く』
写真提供/日本テレビ放送網西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように描出されてきたのか、ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された73点の絵画を通して浮き彫りする。16世紀から19世紀半ばまで、ヨーロッパ各国の画家による作品から愛の表現の諸相を紐解く、かつてない趣向の展覧会。
東京展:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)会期:~2023年6月12日(月)
開館時間:10時~18時(金・土曜日は20時まで。入場は閉館の30分前まで)
観覧料:一般2100円/大学生1400円/高校生1000円
休館日:火曜(5月2日は開館)
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:
https://www.ntv.co.jp/love_louvre/京都展:京都市京セラ美術館2023年6月27日(火)~9月24日(日)
※詳しい入館方法や最新情報は展覧会公式サイトでお確かめください。
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今津京子/Kyoko Imazu
撮影/小野裕次美術展プロデューサー。パリをベースに、今回の「ルーヴル美術館展 愛を描く」、「ガブリエル・シャネル展 Manifeste de Mode」(2022年)、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(2020年)、「モネ展」(2015年)など、40年にわたり数十を超える大型展覧会の企画に携わる。
日仏英の3か国語を操り、美術、ファッションなどの分野でジャーナリストとしても活動。音楽、演劇、料理、アンティークなどアール・ド・ヴィーヴルをこよなく愛する。
表示価格はすべて税込みです。