花壇でも育つ花木、小さなブラシのような花が愛らしい「フォッサギラ・マヨール」

フォッサギラ・マヨール

小さなブラシのような白い花がたくさん咲きます。こんな姿の花木はなかなか見当たらず、個性的で新鮮な印象です。

■属科・タイプ：マンサク科の落葉低木
■花期：5月

小さなブラシのような花が咲く姿がとても愛らしい！

かなり前のことですが、庭木や花木の苗の生産者さんを訪ねたとき、「これから人気がぐんぐん上がりますよ〜」とすすめられたのがフォッサギラ・マヨールでした。聞き慣れない名前でしたが、名前をちゃんと覚えておこうと何度も復唱しました。

そのおかげもあり、観光ガーデンでこの時期に個性的な花を咲かせている姿を見ても「フォッサギラ・マヨール、素敵！」とすぐに名前が出ます。

北アメリカ東部が原産地で、日本ではまだそれほどなじみがない花木ですが、一度その姿を見ると自宅の庭にも欲しくなる魅力があります。葉の展開と同時に小さな白いブラシのような花が咲くのですが、ポンポンと飛ぶようにつく姿がとても愛らしく、爽やかな雰囲気を感じさせます。

鼻を近づけるとほのかに甘い香りがするのも何だか意外でうれしくなります。そういえば早春に咲くマンサクも甘い香りがしたなと思い出しました。


白い花弁に見えるのはすべて雄しべ。早春に咲くマンサクよりずっと繊細な印象です。

苗の生産者さんが人気が出ると考えた理由の一つが、フォッサギラ・マヨールが花壇にも植えられるコンパクトな樹形であることです。何カ所かの観光ガーデンで見かけましたが、たしかに花壇や園路沿いの植栽の中にあっても、ほかの草花などの邪魔にならないサイズ感でした。

マンサクの葉を小さくしたような葉も周囲の草花となじみやすく、しかもこの葉は秋には黄色からオレンジ色に美しく黄葉するのですから、かなり魅力的な花木ではないかと思います。

最近では個人邸でも植えているお宅が増え、私の散歩道でもフォッサギラ・マヨールを見られるようになり、毎年、この時期に花を見に行くのを楽しみにしています。剪定の手間もそれほどかからないので、これからますます人気になること間違いなしです。

栽培の難易度

耐寒性・耐暑性ともに強く丈夫で育てやすい花木です。日なた、もしくは明るい日陰で、水はけのよい場所に植えます。植えつけ時に元肥を施し、たっぷり水やりします。幼木のうちは土壌がからからに乾いたら水やりをします。成木になったら雨まかせでかまいません。翌年以降は2月〜3月に緩効性肥料を株元に施します。成長がゆっくりで樹高も高くならないので自然樹形で楽しめます。剪定はせず、落葉期に枯れ枝を取り除く程度でかまいません。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる