写真/孝森まさひで/アフロ街の片隅にあの花を探して
選・文=小林浩幸(雑草生態学者)ワスレナグサ(勿忘草)と同じ仲間の一年草、キュウリグサが花を咲かせ始める。花は小さくて色は淡く、目立たない。草むらの中では見逃してしまいがち。
それに比べワスレナグサの花は大ぶりで鮮やか。ワスレナグサという名前は、恋人のために花を手折ろうとして命を落とすドイツの若者の繊細な心を描く伝説にちなんだもので、英語名もforget-me-notだそうだ。
写真/K@zuTa/PIXTAこの稿を書くにあたって、夭折した尾崎 豊に「Forget-me-not」という歌があることを教わった。「※街にうもれそうな 小さなわすれな草」と優しく歌われる。歌の中のワスレナグサは、キュウリグサにこそ似つかわしい気がした。
ていねいに探せば、貴方の街でも埋もれそうな小さなキュウリグサがきっと見つかる。
写真/kamojin/PIXTA※作詞・尾崎 豊「Forget-me-not」より引用 ・
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