少年の感性を育んだ本と映画との出会い。映画『丘の上の本屋さん』、『フェイブルマンズ』

少年たちの心に響いた本と映画が彼らをどんな未来へと導いてくれるのか。

『丘の上の本屋さん』

ⓒ 2021 ASSOCIAZIONE CULTURALE IMAGO IMAGO FILM VIDEOPRODUZIONI　配給：ミモザフィルムズ


『丘の上の本屋さん』の舞台はイタリア中部にある村、チヴィテッラ・デル・トロントの美しい景色を望む古書店。この店に集まってくる個性的な登場人物たちのサイドストーリーもユニークで魅力的だ。

店主・リベロとブルキナファソから移住してきた少年・エシエンとの“本”を通した交流が描かれている。

リベロがエシエンに無償で貸した本のリストには『ピノッキオの冒険』『星の王子さま』『白鯨』といった児童文学や長編小説、専門書など幅広い分野の書名が名を連ねる。

エシエンが読後の感想を述べると、リベロは違った視点からの考え方や知識を伝え、さらに広い世界へと導いていく。そして観客にも本への共感や読書の素晴らしさを追体験させてくれる。

『フェイブルマンズ』

ⓒ Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.　配給：東宝東和

『フェイブルマンズ』はスティーヴン・スピルバーグの原体験が描かれた作品。

1952年に『地上最大のショウ』を映画館で初めて観た主人公のサミー・フェイブルマン少年は映画に夢中になり、以来8ミリカメラで家族の休暇や旅行を撮影して、自らも作品を制作するようになる。

両親との葛藤や人との出会いを通してサミーが成長し、夢を追い続ける姿は希望で満ちている。