家康の愛用品が残る久能山東照宮博物館
神廟家康の墓。3代将軍家光が高さ5.5メートル、外周8メートルの現在の石塔を建てた。毎年4月17日の命日に執り行われる御例祭には、德川宗家当主が拝殿での祭礼後、神廟拝礼を行う。一般参拝が可能になったのは1915(大正4)年の300年忌の頃といわれる。重要文化財。「遺体は久能山に納め
葬儀は増上寺で行い
位牌は三河の大樹寺に立て
一周忌を過ぎて後は、
日光山に小さきお堂を立てて
勧請せよ。八州の鎮守となろう」
―― 『本光国師日記』境内の博物館に収蔵されているのは、久能山東照宮に奉納された伝世の宝物が中心。現存する日本最古の洋時計など家康が日常で愛用した品や、徳川歴代将軍の武器、武具が充実しています。
総数二千余点のうち230点が国宝または重要文化財で、館内では常時約60点を展示。武家文化の神髄を堪能しながら、家康を身近に感じられる貴重な博物館です。
家康が初勝利した際に着用していたと伝わる金陀美(きんだみ)具足(右。重要文化財)なども展示されている。●9時~17時(入館は16時45分まで) 撮影/本誌・西山 航 取材・文/清水千佳子
『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。