ラベンダーのボーダーをきれいに刈るポールさん。筆頭庭師として、城に5年以上勤めている。ハイクレア城には庭がいくつある?
ハイクレア城には薔薇の園だけでなく、異なる趣の庭がいくつもあります。例えば約30種類のハーブを栽培する「ハーブガーデン」、大きくて見事な樹木からなる「ウッドランド・ガーデン」、そしてシャクナゲとツツジが咲き揃う「アメリカン・ガーデン」も見逃せません。
(上)シンメトリーに造られているハーブガーデン。(下)樹木を楽しむために造られた「ウッドランド・ガーデン」。新緑に包まれる5月は、ひときわ生命力に溢れます。今回のお話の主役、ジャックダウ・カッスル付近の「アメリカン・ガーデン」。アメリカン・ガーデンの由来
「アメリカン・ガーデン」は、ハイクレア城の敷地内にある「ジャックダウ・カッスル」という神殿のような建物の近くにあります。
園芸好きの2代目伯爵(1722~1833)が、植物学者となった弟ウィリアム・ハーバートや数名の専門家とともに造園。付近全体の地面を大きく深く掘り起こしたり、シャクナゲに合う土を入れ直すなど、大掛かりな作業だったようです。
「アメリカン・ガーデン」と呼ばれる所以は、アメリカから入手したシャクナゲとツツジの種を、苗に育てた後に土に下ろして造ったことから。
「アメリカン・ガーデン」を造った2代目伯爵。