割引されるお客様になる方法
さて、お客様として得をするための方法をもう一つ、「割引」の話をしましょう。
ジュエリーは色々ある商品のなかでも、単価がとても高いものです。したがって、実際の買い物に際しては、値引きということが往々にして行われています。
ではどのようにすれば、お店は割引に応じてくれるのでしょうか。お店は何を考え、お客様のどこを見て、値引きしているのでしょうか。
お店側は、なぜ割引をするのか
お店が割引をするのは売上げが欲しいからですが、それだけではないのです。
お店があるお客様に割引をするのは、「ここで少し割引をすれば、このお客様はまた買いに来てくれるはず」、と考えるから。目の前のお客様が、また買いに来るだけの経済的なゆとりがある人だと判断したから、値引きをするのです。
人は見掛けで判断される
日本人の大好きな言葉に、「人は見掛けによらない」というのがありますね。私はこれほど馬鹿げた言葉はない、と思っています。人は見掛けなのですよ。世界中、日本以外の国でそんなことを信じている国はありません。
自分が他人からどう見られたいか、それを決めるのは自分であり、それに応じて身なりを整えるのは当たり前、それが世界の常識なのです。 ですから、ジュエリーを買おうと思って、お店に行って値引きを期待するなら、それなりの服装と態度が必要なのです。
たとえ、これから1年はその店で何も買わないと内心思っていたとしても、「私はまたいつでも買います、買えます」という態度と服装が必要なのです。
いくらあなたが金持ちでも、ボロい服を着てビニール袋をぶら下げて、まけろと言ってもお店はまけてくれないでしょう。このことは、後々の回でもご説明します。
とにかく、こうしたちょっとしたことで、つまり相手に気を遣う、適正な服装と態度で買うということで、利益が得られるとしたら、これはやるべきだと思いませんか? ジュエリーは高価ですから、ちょっとした割引でも、1週間のランチ代くらいにはなりますよね。
次回は4月第2週更新予定。お楽しみに。
山口 遼/Ryo Yamaguchi
宝石・宝飾史研究家
大学卒業後ミキモトに入社。退社後はアンティーク・ジュエリーの研究と販売に従事。真珠および宝飾品史の専門家として、新聞や雑誌に数多く寄稿。ジュエリーに関する著書多数。