バラの季節がいよいよ到来！ 美しい景色を生み出す、つるバラの銘花10選

バラ〜その1　美しい景色を生み出す、つるバラの銘花10選

1984年にドイツで作出されたクライミングローズの‘アンジェラ’。丸みのあるカップ咲きの花がとてもかわいらしい品種です。このボリュームある景色は、バラ好きな方のお宅のもの。生育旺盛でよくつるが伸び、毎年たっぷりと花を咲かせるそうです。

■属科・タイプ：バラ科の落葉低木
■花期：5月中旬〜6月中旬（初夏咲きの見頃の時期）

クライミングローズが生み出す華麗なる景色に感嘆

バラが美しく咲き誇る季節がやってきました。ソメイヨシノの開花がとても早かったように、今年はバラの開花も早く、散歩道では満開近くまで咲いている品種も見かけます。バラをこよなく愛するというわけではないのですが、それでもバラの花を眺めると、花の女王と呼ばれることに納得するほどの美しさだと感じます。

バラには多くの種類があるので、今日から4回にわけて紹介していきます。まずは、古くから親しまれているつるバラの銘花をピックアップしてみました。個人邸でも咲かせているお宅が多いので、きっと散歩道でも出会えると思います。

昨日ご紹介したクレマチスはつるを支柱に巻き付けて伸びていきますが、つるバラはみずから何かに巻き付くことはないので、フェンスやアーチなどにつるを固定して誘引します。それが美しい景色を生み出し、バラの中でもつるバラの人気がとくに高い理由だと思います。

クライミングローズと呼ばれるバラのほか、シュラブローズでも半つる性の性質を持つものもあり、それを含めてつるバラと呼んでいます。

クライミングローズは伸びたつるの先端に花を咲かせます。そして開花することで、そのつるの成長は止まります。そのため、秋にもう一度咲くことはなく、初夏のこの時期にのみ花を楽しめるバラです。

生育旺盛なつるバラがアーチやパーゴラを埋め尽くすボリューム感ある景色は、この時期にしか見られないので、ぜひ観光ガーデンなどのローズガーデンも訪ね、優雅でダイナミックな景色をご堪能ください。


白花は1936年にアメリカで作出された‘つるサマースノー’で、ピンクは‘つるサマースノー’の枝変わりで日本で作出された‘春がすみ’。どちらもクライミングローズを代表する人気品種です。広い面でも埋め尽くすほど生育旺盛で、小さめの花がたわわに咲きます。

栽培の難易度

バラの苗木には、9月〜12月に販売される大苗と、春に販売される新苗があり、この時期に販売されているのは前年の秋から接ぎ木して育てた若い苗木、新苗です。蕾や花がついた状態で出回るので、実際にどんな花がどのように咲くかを確認できるメリットがあります。つるバラの場合、植えつけの前に絡ませる仕立てを準備する必要があります。仕立てにはアーチやフェンス、オベリスク、パーゴラなどがありますが、クライミングローズは生育が旺盛なので、できるだけ広いスペースを確保しておきます。植えつけ以降のポイントは、明日のバラの回で紹介します。

【難易度】
★　容易・初心者向け
★★　標準・初級〜中級者向け
★★★　少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★　難しい・上級者向け
★★★★★　栽培環境が限られる